ONE 〜輝く季節へ〜
10点
今のkeyの前身、Tacticsより発売された恋愛シミュレーションゲーム
。
季節は1998年の冬。
極々普通(と自分では思いこんでいる)の高校生、折原浩平が主人公となり始まる物語である。
遅刻しそうな通学路を走りぬけ、冬の冷たい朝露を肺に溜め込む。
そんなぐーたらな日常を過ごしていた主人公だったが、不意に自分の中に「もう一つの世界」が存在していることを理解した。
物語の鍵を握るのは、主人公とヒロイン達の絆、そして、「永遠」。
お節介焼きの幼馴染の少女や、目の見えない先輩、道端でぶつかった少女、日常が重ねられていくほどに、その日常が埋もれていく。
いつでも見れた情景と、新かに広がった世界。
主人公はそんな中、一つ……哀しい選択を選んでしまった。
このゲームの凄いところ、それはなんといっても人を泣かせる文章力。つまり物語のそれ自体だと思う。
ヒロインや主人公の気持ちが切なめのBGMと共に表現されており、ハンカチ片手には読めないシナリオ必至である。
日常の馬鹿げた生活や、日々に悩む主人公のギャップはとてもじゃないがプレイしていただけないと理解できないと思う。
個人的には茜シナリオが一番好き。ありゃやばいって、泣けるって。
reviewed by アッド
8点
現在のほとんどのkeyスタッフによって作られた、ゲーム。それがこの『ONE 〜輝く季節へ〜』。
いまいち、AIRやkanonに比べると、知名度が薄いかと思われるが、keyのシナリオライターによって生み出される感動の物語はこのころから変わりはない。
主人公である折原浩平は、ごく普通の高校生・・・だった。
ネタバレであるため、詳しくは言いませんが実はゲーム開始時点では、ある理由によりすでにこの世にはいないのです。
つまり、このゲームはほとんど全て回想シーン、と言うわけなんです。
このゲームの最大のキーワードとなる言葉、『永遠』。この言葉を本当に理解した時、誰もが深い感動に包まれることになるでしょう。
このゲームでずば抜けて、すばらしいと思われるのがやはり折戸さんをはじめとする方々によって作られた音楽。透き通るような音。心がふるえます。
とくにテーマ曲でもある『輝く季節へ』は、なんとすばらしい作曲センス!と素直に感動してしまうほどです。
とはいえ、やはり欠点というものはあるものです。キャラの個性は立っていますし、感動できるシナリオが多いことも事実ですが、あまり、テーマである『永遠』とは関係のないヒロインがいるため、なんとなく、つけたという感じがすることも事実です。
あと、システム面でも少し不便なところもあります。
ですから、満点!とまでは行きませんが、それでも、感動のシナリオ、音楽。それは素晴らしいものなので、やってみる価値はあります。絶対に損はしないです。断言できるほどです。
もし、やる機会でもあるならばやってみてはいかがでしょうか?
reviewed by 流星の流れ
6点
このゲームは恋愛アドベンチャーである。
最初はどこにでもある普通のアドベンチャーである。しかし、ストーリーが進むにつれて主人公の存在が希薄になっていき、周囲から忘れ去られていく。それは関係のない他人から始まり、最後にはもっとも親しい人からも…
このゲーム、各ヒロイン攻略が非常に難しい。ひとつでも間違ったを選択肢を選ぶだけでBAD ENDになる。クリアするには相当の根気を要する。
昔のゲームだけどシナリオは、今のそんじょそこらのエロゲーを凌駕していると思う。しかし、絵、BGM、プレイ時間等を考慮するとさすがに物足りない。特に1プレイあたりの時間が短すぎると思う。値段の割に長く遊べないのが痛い。
先ほど述べたように昔のゲームなので手に入れるためには中古ショップで買うしかない。値段も地味に高めなので、購入するにあたってはよく考えたほうがよいだろう。
reviewed by アリス