k-MT : ゲームの道標

9点
HEAVY RAIN －心の軋むとき－
ここまで的を得た副題は中々お目にかかれないかもしれません、それほどに本作はプレイヤーの心を揺さぶります。
特にお子さんをお持ちの方は心にくるものがあるだろう。

折り紙連続殺人事件という一連の事件を被害者、警察、探偵等々複数視点でプレイヤーは物語を紡いでいきます。

そう、このゲームはいわゆるストーリーに沿ったり追想するのではなく、日常のあらゆる行動がプレイヤーの意思の基決定される。
勿論複数選択肢があるので完全に自由ではないが、その積み重ねが物語に大きく影響を与えていく。

選択肢によっては主人公が死んでしまうなんてことも・・・勿論ゲームオーバーなんてありません。そのまま物語は進んでいきます。

音声と字幕をいつでも好きなときに変更でき、ゲームの難易度(この場合敵の強さではなく、操作の難易度)変更もあり、多くのユーザに楽しんでもらおうという心遣いが伝わってくる。

私は洋画は字幕で見る派なので本作も日本語字幕でプレイしたのだが、前述のプレイヤーに意思決定が大きくあるためさながら質の良い米サスペンスを演じている気分を味わうことができた。

満点でないのはマルチエンディング故の時間との折り合い、常にコントローラーを握っていないといけないため、気軽にプレイできない。
この点は物語に引き込むための意図もあるのだろうが、続きが気になるのに疲れてしまうというジレンマを引き起こしてしまう。

本作は致命的な欠陥があり、頻繁にフリーズが起こり下手すると本作を読み込まない。という症状が確認されている。
現在net経由で修正パッチが配布されているが、netに繋がっていないPS3でプレイするのは控えたほうがいいだろう。

reviewed by Firo