聖剣伝説
7点
でかいゲームボーイを両手でわしづかみにして、剣をぶんぶん振り回し魔法を所かまわずぶっ放す様はまさに現代アクションRPGの曙であった。町の人を攻撃できる作品はこれだけである。しかもブラッディソードなら自分が回復。
reviewed by 黒子
10点
四作でている聖剣伝説の第一作目にあたる作品。もともと聖剣伝説はファイナルファンタジー外伝として作られたもので、この作品では魔法や武器はファイナルファンタジーと同じ名前を使っている。2以降はオリジナルの名前や精霊が出てくるので、方向性は変わっていくのだが。
まずこの作品は当時ゲームボーイとしては非常に面白かった思い出がある。最近のアクションRPGはあまりにバランスが悪かったりするものが多々あるが、ゲームボーイという限られた土壌、そして可能性の少なさゆえに、あれこれ手をつけることなく必要なシステムのみで構成されているアクションRPGである。そのため、バランスは非常によい。魔法もファイアなら誘導型攻撃、ブリザドは敵を凍らせて、その部屋のパズルを解くカギである。サンダーでなければ突破できないところがあったり、回復はケアルひとつしかない。それぞれに固有の役割があり、他がそれを補えない。それが逆にひとつひとつの必要性を浮き立たせているのだ。だから意味がある。例えばレベルがあがったときに【魔力】のステータスがあがる意味があるのだ。ケアルラがあれば魔力を高くしてケアルを唱える必要もないだろう。
そしてストーリー。彼女がさらわれる展開である。オーソドックスだなぁと思うひとは多々いると思う。しかし私はこう思う。「ありきたりのストーリー展開を持ってくるその勇気が素晴らしい」
ありきたりの展開の中でも一生懸命練られているストーリーは素晴らしい。先がなんとなくわかっててもそれが実現したときはやっぱりちょっとうれしいものだ。むしろちょっと他とは違うストーリをたててはみたものの、全然面白くないのは寒い。物事には向き不向きがあるものだ。
そして音楽。ゲームボーイゆえに音楽はしょぼい。しかし私は楽譜を家に持っている。なぜか?旋律はすばらしいのだ。中世を彷彿とさせる旋律は感情が浮き出た人の芸術だ。ぜひリミックスするなどして聞いてみたいものだ。
スクウェア作品の本流から生まれでていると思うこの聖剣伝説。スクウェア味を味わってみてはいかがだろう?
reviewed by dj shrike