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第三回天下一武道会 三月二十八日 (2)

[ 第三回天下一武道会 サイドA ]

第三回天下一武道会 三月二十八日

37 名前:三月二十八日 :03/10/20 21:05 ID:???
今日は実にいい天気だった。もう春なのだろう。あたりの雰囲気もどことなく春めいてきている。
風は寒くなくなってきたし、毎日ぽかぽかといい陽気で、鳥は楽しそうにさえずり、まさに平和といった感じだ。
商店街から帰る坂道の途中の小脇に、たんぽぽやスミレが顔をだしているし、花屋にならぶ種類も色とりどりになってきている。
イザークが飼っている捨て猫(フクダ)も昼間は、日の当たる私の部屋でちゃっかりコタツのなかで寝ている。
そういえば寮にある沢山の桜の木もそろそろ本格的に開きかけている。あと10日もすれば満開になるだろう。
アムロなんかは、最近ベンチで桜を眺めていることがおおい。彼いわく「桜が散るのは嫌いだけど、咲くのは好き」だそうだ。
散る、ところに風情があると思うのだが、それは死を連想させてしまうから嫌いなのだろう。
もっとも作家にとっては打ちきりも一種の死かもしれない。
果たして、この中で何人の作家が桜が散るまで生き残ることができるだろうか?


「やぁ、ひさしぶり」
私が商店街の一角に在るホカホカ弁当屋で人数分の弁当を買って帰ってくると、敷地の中央付近で赤棟の管理人にであった。
久しぶりだったので、私は手をあげて声をかけた。

「あ、こんにちわ」
考え事をしていたらしい少年は、私に気がつくとかるくこちらに頭をさげて会釈した。担いでいたナップサックがゆれた。
ふちなしの眼鏡をかけていたので、少し印象がちがった。いつもはコンタクトなのだろう。
あまりまじまじとみたことがないのでわからなかったが、こうして日の当たる下でよくみると髪も黒というよりは茶色だ。色はやはり白い。
最初、私はそのまま通り過ぎようとしたが、思いなおして少年を呼び止めた。

「あ、君。ちょっと」
「はい?」
くるり、と彼は怪訝そうにこちらを振り向いた。なんだろう、というような顔をしている。
形のよい耳が髪の間からちらりとみえた。
「えーと・・」と、私は少し困った。呼びとめたのはいいが、いったい何をはなしたらよいのだろう。
まさか、そっちでおきていることを全て教えてくれ、とはいいがたい。かといって、あまり遠まわしにきくのもどうかとおもう。
靴の先でこんこん、とアスファルトをつまずきながら、私はいい質問が浮かぶのをまった。
セイラさんは元気か?、富野との関係は?、などの質問が脳裏に浮かぶが全て却下した。これはまずい。
こちらが何も知らないとおもわれると、なにか不利かもしれない。よくわからないがそんな気がした。


「いや・・最近、調子はどうだい?」と、結局わけのわからないことをきいてしまった。
少年はそれを聞いて、一瞬はてなマークが浮かんでいる顔をしたが、すぐに、にっこりと笑った。そして、真顔に戻ったかと思うと

「・・順調ですよ」と、いった。




38 名前:三月二十八日 :03/10/20 21:06 ID:???
彼の後姿が完全に見えなくなるまで見送ったあと、なんとはなしに広場のベンチに座り込んだ私はそのことを考えた。
順調、か。計画どうり、ということだろう。作家の打ちきりも、何をしているかわからない赤棟も、どちらも順調だということだ。
それがいいことなのかどうか、今の私には判断できなかった。
もっともこちらの方は順調とはいいがたい。不正疑惑がでているらしいからだ。
明日、会長がそのことについて話があるといっていたが、どうするつもりなのかわからない。


私は考える。
この調子でいけば四月十四日に第10号である。そして、おそらくその号で雑誌は廃刊になり、アンケートをとり、最後の打ちきり作家が出るはずだ。
それから会長がどうするつもりなのかは知らない。なにかをするらしいが、それが何かは私の知るところではない。
私に課せられているのは雑誌をとどこおりなく発行することであって、それ以外のことはなにもいわれていないのだ。
まぁ、私は会長の専属秘書として再び会社に戻ることになるのだろう。
色々な交渉をこなし、他の企業との会議のセッティング、インタビューの草稿の作成。書類整理。そのようなことをする日常に戻ることになる。
平穏な、退屈な日常だ。不満はないが、起伏もない。
私はベンチに寝転んで、おおきな欠伸をした。やけに眠かった。こんな陽気だとすぐに眠くなってしまう。
目を閉じると、あたたかな太陽の日差しが私をぽかぽかと暖めてくれた。
ふと、私はこの生活もわるくないな、と思った。少なくとも会社で毎日あくせく富野会長の尻拭いをするよりずっといい。
こんな日々もわるく・・

「おい!アイツあんなところに寝てるぞ!」 
上のほうから誰かの甲高い声がした。目をあけると、怒った顔のイザークが猫を抱えたまま二階の窓からこちらを指差していた。
ブライトが同じくイザークの後から顔をだして「昼食おそいよ!なにやってんの!」と、怒鳴った。
スレンダーも「待ちなれている俺も限界に近いぜ!」といっていたし、カクリコンは「栄養がないと髪に悪いんだ!アメリア!」と主張していた。
それで思い出したのだが、そもそも私は昼食を買いに外出していたのだった。袋に手をやると、中の弁当はもうすっかり冷えていた。
焼肉弁当も唐揚弁当も親子丼もたらこスパゲティーも全てひえきっていた。

「フクダが腹をすかしてるだろうがぁ!」

とイザークが怒鳴るのを聞きながら、私は空を見上げ再びため息をついた。すくなくともいまは目の前のことをするしかないのだ。
透き通るような青い空には、雲すら見当たらなかった。
(三月十八日終了)


39 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/20 22:39 ID:???
( ´∀`)平和ダナァ ウフフ 

40 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/21 12:44 ID:???
規制されてたあいだになんか複雑なことになってるなぁ。
1さんならうまく処理できるって俺は信じてます
みなこの作品を楽しみにして書き込んでるんですし

#もし大きく問題を捉えられてるのであれば最萌投票とかにつかわれているような
#スクリプトを用意するのでいってくださいね

しかし赤棟の管理人は謎だなぁ
前回の打ち切りレースの優勝者が若返った姿とか
となるとめがねかけてるキャラは、、テム・レイくらいしか思いつかない罠

41 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/21 18:27 ID:???
ゲイナーですよ

42 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/21 21:19 ID:???
ゲイナーにしちゃ謎めいた部分があるな

43 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/21 21:41 ID:???
前スレは391レスで容量オーバーか。すげえな。
>>300くらいから容量を確認し始めた方がいいかも知れん

44 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/23 07:26 ID:D6b2ynzD
みんな多重投稿してたんだな。俺の推薦したロランたんはそうやってしんだのか。。

45 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/23 08:52 ID:???
漏れの推薦した阿部孝明に落とされてユートピアに目覚めて打ち切られた某ジャーナリストよりましさ。。

46 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/23 13:45 ID:???
>>44
半分以上はネタかと。哀しいけど、ここシャア板なのよね!

47 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/24 01:07 ID:???
ネタじゃないのもいるって事か・・・

48 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/24 08:50 ID:???
イザークの猫の名前フクダなのか・・・

49 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/10/24 20:08 ID:???
イザークがいなくなったらフクダはどうするんだろう・・・
どっかの雌猫と仲良くなって、だめになっていくのだろうか・・・

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