第三回天下一武道会 三月十八日
[ 第三回天下一武道会 サイドA ]
- 10 名前:三月十八日 :03/06/18 19:28 ID:???
春とはこんなに熱かっただろうか、というのが私の今朝の第一感想であった。
今日は1日暑かったのだ。
段々温かくなってきたな、とは思っていたのだが突然の汗ばむ陽気には私は驚かされた。
午前中はそれほどでもなかったのだが、昼間少しだけ外にでると太陽の直射日光が私の頭上に燦燦とふりそそいだのだ。
私は温かくなることは歓迎だが、夏みたいな陽気もまた余り好きではない。なにごとも適度が一番だ。
とにかく今日は暑かった。太陽はきっと暦を勘違いしている。
だが、夜にテレビの天気予報によると、平年よりやや熱かったくらいらしい。腑に落ちなくて、私は首をかしげた。
どうもそうは思えなかったのだけれど、テレビがそういうのなら其れは間違い無いことなのだろう。
おそらくそれは、私達が冬の寒さに慣れすぎていた所為でもあるのだ。不安定な変温動物のように。
さて。
今日の日記は、晩に食べたご馳走についてかいておこう。
もっともご馳走という言葉はもはや死語かもしれないけれど。
私が古い人間からかもしれないが、ご馳走と言えばどうもスキヤキを思い浮かべてしまう。
ただ私が育った環境は特殊だったので、家族で仲良く食べる、なんということはなかったのだが、
子供心にスキヤキとはご馳走なんだ。ということはまるで刷り込みのように脳裏にインプットされている。
テレビやドラマで、スキヤキというとご馳走だ、と一種のお祭りのように騒いでいたからかもしれない。
貧乏な家庭が今晩はすき焼きよ、と母親役の女優がいうと、子供達がおおげさに喜ぶ。そういったシーンをよくみていた。
それは、どこか儀式のようだった。すき焼きは喜びを喚起するもの。
すき焼きとはあの当時はお祝い料理だった。
赤飯,寿司、おせち料理と並ぶようなお祝い事に食べるという儀式的食卓。
多少の誇張はあるがおおむねそうだった。
- 11 名前:三月十八日 :03/06/18 19:31 ID:???
とはいっても最近ではスキヤキといっても昔ほどの価値はなく、それはハンバーグと同程度まではいわないが
それと近いランクにまで降りてきているといわざるをえないだろう。
儀式としての価値はなく、形骸化している。お祝いにいまどきすき焼きを食べる家庭はないだろう。
ひな壇でいえば、お内裏様がしずりしずりと、着物を引きづりながら最上段から3段目までお下りなされた、といえるかもしれない。
感覚的にいうと、それくらいのダウンだ。
昔と変わらず現在も最上段で不動の位置を保っているのは松茸くらいではないかな、と思う。無論、国産に限るのだが。
寿司も回転寿司などの登場ですっかりポピュラーになってしまった。これは喜ばしいこととは私は思えない。
年に数回食べること、それが大切なのであって、頻繁に食べるようになっては感動は薄れてしまう。
ワールドカップが毎年あったらその優勝カップに意味が無くなるのと同じように。
特別な料理・・それが下らない庶民化によって生じる悪弊は憂慮すべき問題だ。
なんでも食せるといった考えは、喜びを奪っていくように思う。
といってもスキヤキがおいしいと言う事実にはなんら変更はない。ただ、みなの認識が変わっただけだ。
つまり崇拝の対象ではなくなってしまい、近所の従兄弟に会うくらいの頻度で食べるようになった。それだけのことだ。
すべてのものは変わっていく。残るのは記憶だけだ。
昨日は結局、帰ってからスキヤキをつくるのは面倒だったので結局作らなかった。思った以上に疲れていたのだ。
それで、ありあわせのものを作って彼らに食べさせた。
無論、みんなの反発は強く、なんのために買物にいったんだ?というような非難めいた目つきで見られた。
しまいには私とグエンだけ何か美味しいものを食べて来たに違いない、といったような魔女裁判的な判決を食らいそうになった。
まったく空腹の時の人間の思考とはどうも理解しがたいものだ。平常時からは考えられない解釈をする。
なんとか弁明し、グエンも必死で信じてくれ、といったのでその誤解はとけたのだけれど。ストレスは残った。
それで翌日、つまり今日スキヤキをするからということで彼らの不満を押さえた。
彼らにとっても肉を食べるのは久しぶりだし、それを聞いて渋々だが納得してもらえた。私は解放されてほっとした。
それにしても私はまったく悪くないのだが・・ただ皆のために買物に言っただけなのに何故こう迫害されないといけないんだ?
そんな疑問が脳裏に浮かんだが、編集者とは畢竟そういうものだろうという諦めにもにた考えにおちついた。
- 12 名前:三月十八日 :03/06/18 19:38 ID:???
ということで今日はスキヤキを作った。
基本的に私はイタリア系料理が得意で、和食はあまり得意ではないが、仕方が無かった。
いまさら期待は裏切れないし、それにもともと材料は買っていたのだ。
もっともスキヤキが和食にはいるのかどうなのかは甚だ疑問だけれど。
そんな疑問を抱きつつも、私は四時を回ったころから一人でキッチンで調理をしていた。
無駄に広く横長のカタチをしたキッチンには、馬鹿でかい冷蔵庫がどかんと壁際に置かれている。そこから野菜類を取り出すと水洗いをする。
私は包丁を取り出す。手入れが行き届いて、よく切れそうだ。手元にはこれを鍛えた刀匠の銘が大きく刻まれていた。
まな板を出し、その上でザクザクと切っていく。
(中略)
やっと人数分の材料を切り終え、下ごしらえというかそういった準備も大体終わった。
気がつくともう五時を回っていた。数時間もぶっつつけで私はやっていたことになる。
腰を叩きながら、キッチンをでて、食堂に入る。そして、テーブルを台拭きで綺麗にふきあげる。
これは思ったより大変だ。毎日していたフラウに改めて尊敬の念を抱く。もっと大切にするべきだった。
もう一度キッチンに戻り、用意して床においていた鍋とプロパンガスを持ってくる。すき焼き用のための鉄鍋だ。
あるのかどうか不明だったが、探してみると普通の鍋と一緒に、戸棚の奥に放り込まれていた。なかなかいい作りの鉄鍋だ。
鉄は鍋をするときに持って来いのものだ。熱伝導率が低いが、その分一旦熱せられると中々冷めない。
最近は手軽に重く使いずらい鉄じゃなくて普通の鍋を使うと聞いているが、やはり私はそれでは充分に楽しめないと思う。
もっとも今現在、このAアパートには私を入れて全部で九人いるので、一つじゃ足りない。二セット用意する。
十人でなく、九人なのはランバラルがいないからだ。彼は午前中に、私の部屋を訪れて1日外出の許可を求めてきていた。
理由はよくわからない。ただ、別に断る理由はなかったので了承した。
たまにはストレス解消したいのだろう。野暮なことは聞かないことにした。私は別に保護者ではないのだから。
- 13 名前:三月十八日 :03/06/18 19:46 ID:???
四人と五人にわかれればいいな・・私は食卓の支度にかかる。
汚れないようにテーブルに新聞紙をひいて(一杯溜まっている)、その上にプロパンセット一式を載せる。
この辺で外出していたらしいロラン君がやってきて、作業を手伝ってくれるといってきた。実に助かる。
作業で服が汚れないように、フラウが使っていたエプロンがあるので其れをロラン君に渡す。
ピンク色アンド フリル付きだったので、私は着るのを遠慮したのだ。私が着たら誰も食欲がなくなってしまうだろうが、ロランになら大丈夫だろう。
最初は嫌がったのだが、そういわずに、と勧めると渋々だが着てくれた。一旦部屋に戻って着替えてくると言う。
わざわざ部屋に戻る必要はないとおもったが、止める理由もないので送り出した。
私は再び準備にかかる。
「・・これでいいですか?」十分後、食堂で一人で準備をしているとそう声がかかった。
私は、振りかえる。そして息を呑んだ。
なんとそこには口紅をつけて髪をポニーテールのように捲し上げて、完璧にローラと化したロランが立っていた。
口にはうっすらと紅すら塗っているようにみえる。つけまつげ・・・はしてないようだが、元々睫毛は長いので必要ないのだろう。
ピンクのエプロンがやけによく似合っていた。フラウより似合っている。
「えーとだ・・その格好は・・趣味なのか?」
私がそうだしぬけに聞くと「あなたがしろっていったんじゃないですか!趣味じゃありません!」と真っ赤にして怒っていた。
確かに言ったのはそうだが、何もそこまで似合うようにする必要はないんじゃないか、と思った。
私は彼に女装しろ、と言ったわけではなくただエプロン着たらどうだ、と勧めただけなのだから。そう言われるのは心外だった。
その言葉をきいてここまでしてくるのだからこれは条件反射に等しいものじゃないのかとまで思う。こういう経験が何回もあるのだろう。
さらに実は密かにこういう状況を楽しんでいるといった潜在的な願望がロラン君にはあるんではないだろうか。私は疑う。
彼自身はその嗜好に気が付いていないみたいだけれど、おそらく間違い無い。だが、私は別に軽蔑などはしない。
女装姿でひったくりをするような中年がいる時代だから、何もおかしいことではない。女装癖のある男は結構いる。
何食わぬ顔で、頭に毛の被り物をしている奴らよりはよっぽど潔いと思うほどだ。それになにより似合っていれば無問題だ。
懐疑的にものごとを疑うことが、私は大事だと思っている。
全ての事象は流動的にうごくものだし、水のように絶え間無く変化する。動かないものはオリンポスの大理石ぐらいだと決めつけている。
特に人の思考や感情,心理などは、実に見えにくく、またわかったと思っても其れが実は仮面だということは多々ある。
だから、こういっけん真面目に見える彼が実は女装癖があるにしてもなんら驚くに値しない。
とはいっても彼にはそのカッコが女装と意識していないのかもしれず断定できないのだけれど。
- 14 名前:三月十八日 :03/06/18 19:48 ID:???
そんなことを思っていると、ロランがジロッとこちらをみて
「これここに置いていいんですか?」
と、私が切った野菜の入ったカゴを抱えて持ってきたので、忽ち現実に戻って指示をする。
どうやら私が食堂で壁にもたれかかって下らないことを考えている内に、すっかり用意がされていたようだ。
細長いテーブルには5人分の茶碗や取り皿、それに落ちついた深い色の杉箸、麦茶、コップなどなど、そういったものが整然と並べられていた。
真中には勿論プロパンと鍋が置かれている。
そして、隣のテーブルにも同じように四人分の食器と鍋が置かれている。下には新聞紙もひいているし準備は完璧だった。
さすがロラン君だ。てきぱきとして、それでいて間違いが無い。私は関心して辺りをもう一度見渡す。
つけっぱなしにしていたリビングのテレビには、クリーニングから帰ってきたばかりようなスーツをきたアナウンサーが
ムズカシそうな顔で株価について述べていた。けど、それは私には相変わらず無関係の出来事だった。
光取りのためだろう、やけに高いところに並んで取りつけられている窓から光は入ってこなかった。日は暮れているのだ。
いつのまにこんな時間になっていたのだろうか、春とはいってもまだまだ日が暮れるのが実に早い。
ロランがまだじっとこっちをみていた。
それで思い出した私はロランに感謝する。そしてついでにさっきの言葉を謝っておく。
「ありがとう。助かったよ。それに、さっきはすまなかった。」
「・・いいえ。気にしてません。」
ロランはそういって目を逸らした。気にしてるじゃないか。うーむ、これはちょっとまずかったか、と私は後悔した。
多感な年頃だ。
アムロや、イザークもそうだが、ロラン君もやはりそうなのかもしれない。扱いが難しいな、と私はため息をつく。
- 15 名前:三月十八日 :03/06/18 19:53 ID:???
さて、普段ならのんびりゆっくりとやってくるはずの寮の面々だが、今晩は集まりが早かった。
食事時間の七時には皆既に食堂にきていた。どこか目が血走っている。
皆、腹をすかして待っていたらしい。
そういえば昼間誰も食堂に食事しにこなかったような気がする。全員昼抜きか?
いまどきすき焼き程度ここまでする彼らにどこか呆れかえる。同時に少し哀しく思う。彼等は終戦時代の人間だろうか。
そこまで腹を減らして待っているとは、彼らの食に対する欲求は味王なみかもしれない、と私は思った。
そしてふと、ろくなものを食べさせてない今までに問題があったのか、と私は考えた。
彼等はテーブルの上に準備されているすき焼きをくいるようにみていた。
ただ一人、グエンだけはすき焼き其れ自体よりロランの方に食欲?をそそられたらしく
私に「グッジョブ!」と親指を立てていっていた。
食事の前に席決めをしなければならない。いつもは個人個人の食事だから関係ないが、鍋物は別だ。
四人用にセットしたテーブルと五人用にセットしたテーブルがある。
だが、人数を四人と五人に分けるところから勝負は始まっていた。
みな四人の席に座りたがったのだ。それは無論、五人の席よりライバルが減っているからにほかならない。
人数がすくなければ必然的に食べられる肉の量は決まってくる。
仮に1キロを四人でわければ250g、五人なら200gとなる。単純な計算だ。数の理論。
そこで席順をきめることになったのだが、これが中々決まらない。
みな自分勝手に主張をするので(本当に世話のやける)、これが決まらないのだ。
例えばスレンダーが四人テーブルの方について「俺、こっちに残ります」といえばアムロがすかさず「エゴだよ!」といって殴る。
そういった状況なので、私が決めようと思ったのだが、余計な口を出せない雰囲気だった。
しかしそうこうしている内に肉が焼けすぎてもいけないので、早く決めなければ行けない。
みな、苛々してきて、早く決めたがる。だが、そうなると余計きまらない。
決まらないと空腹な彼等は余計いらいらする。悪循環だ。
- 16 名前:三月十八日 :03/06/18 19:55 ID:???
最終的に、レビル将軍が出した苦肉の策は「機動戦士すき焼き 連邦対ジオン」にしようじゃないか、ということに落ちついた。
皆、他に案もなかったし、何より腹がすいていたので其の案に賛成することにした。
「さすが将軍!ニュータイプ!」スレンダーが調子よくそんなことをいっていた。
ということで、寮の面々を連邦よりとジオンよりに住人をわけるとこうなった。
連邦テーブル ジオンテーブル
レビル グエン
アムロ イザーク
ブライト スレンダー
私 ロラン
カクリコン
結局のところ、こう言う風な分け方に落ちついた。
始め、ロランは連邦だったのだが、グエンがどうしてもというのでジオン側に移動した。
これならまぁ、納得のいく分け方になっただろう。私は胸をなでおろした。
- 17 名前:三月十八日 :03/06/18 19:57 ID:???
ようやくすき焼きを食することができる。楽しい食事タイムとなった。
肉がグツグツと煮えて、実に美味そうな色に変色しつつあった。ちなみに割り下を今回は使ってみた。
砂糖と醤油それに酒を直接かけて食べる地方もあるというが私はやはり割り下、いわゆるだしを使ったほうがいいと思う。
あまったるくてべしゃべしゃしたすき焼きは犯罪的なまずさだからだ。
具としての材料は、肉と白滝、ねぎ、焼き豆腐、春菊というシンプルなものにする。
あまり色々いれると味がくどくなって仕方が無い。後、白菜を入れるところもあるらしいが水っぽくなるので私は嫌いだ。
やはり、焼き肉とは肉の味を最大限にいかす調理法をすべきだと思う。
最高級とまではいかないが国産の上等な肉を選んで買っていた。
それを加熱した鉄鍋の底にひいていく。じゅうじゅうと音がして肉汁があふれ出る。
その上に砂糖をふんだんにかけてから割り下を上から注ぐ。鉄板に熱せられて湯気が立ちこめる。
肉が底の方で少しひたるくらいまで割り下を入れると、其の後にようやく野菜を入れていくことになる。
だが、皆の関心は既に肉に注がれていた。香ばしい匂いが彼らの食欲をそそる。
肉の柔らかな口当たりに、そして脂身のところのとろけるような旨味が加わって絶品に違いない。
そろそろ肉を食べてもいい具合になってきた。さっそくアムロが鍋に手をつけようとした。
だが、その時、アムロの隣に座っていたブライトがアムロの左頬をなぐった。第一ラウンド開始だ。
そしてブライトはアムロに「貴様は白滝を食べろ!」と命令した。
アムロがブライトに「それは命令ですか?僕は・・あなたを・・」といい「あぁ、恨んでくれていいよ!」とブライトがいった。
そしてブライトは肉をがっつがっつと食べた。「割り下(味が)薄いよ!なにやってんの!」と私は叱責された。
レビルはレビルでしらたきをほおばりながら、「こりゃ、ごっついのぅ~」といっていた。どうも若い頃に戻っているようだ。
豆腐が実にうまそうに煮えている。私が其れを取ろうとしたらブライトが横から箸を出して奪った。
私が唖然として彼をみると「このタイミングで他人の食べようとしたのを奪うのは古今例がない」としたり顔でいった。
「生だよ!それは!」アムロがたまんないなこの人、といった感嘆の言葉を漏らした。
- 18 名前:三月十八日 :03/06/18 19:59 ID:???
隣のテーブル・・アムロの肩越しにみることのできる其処では更に過酷な競争が行われていた。
グエンはロランのために肉をとっては彼に食べさせて悦に浸ってるし、イザークは負けずと肉ばかり食べている。
そして食べながら「これ、遺伝子配合の飼料で育てた牛の肉じゃないよな?」などと自分を棚にあげて気にしていた。
スレンダーも結構遠慮なくがつがつと食べているようだった。・・野菜を。
肉を取ろうとすると、いつもカクリコンとグエンが横からすばやくとっていくのだ。まるでルパンのような早業だ。
椎茸を口に運ぶその顔が、少し半泣きなのは気のせいだろうか。
「食える!食えるぞ!」といいつつカクリコンは肉を食う。最近書いているマンガの影響か少しトランスしている。
鍋の中に肉がなくなるとロランが、ストックの肉を入れる。再び鍋の中で、グツグツと煮えながら肉がおどる。
「三分だけ時間をやろう」カクリコンはロランに満足そうにいう。「はやくしたまえ」
だが、鍋にあまりに顔を近づけすぎているので、沸騰した鍋の肉汁が顔にとんだ。
「目が!目がぁぁ!」カクリコンが床に転がりながら、まるで大気圏で燃え尽きるMSのようにもだえた。
グエンはロランに口移しで肉を食べさせようとしていた。
「さすがグエン!俺達にできないことを平然とやってのける!そこに痺れる!あこがれるぅ!」
イザークが其れをちゃかしてそんなことをいっていた。
スレンダーはその間、顔ナシのように「ア・・ア・・」とうめくだけだった。カクリコンはまだもだえていた。
私は見てて辛くなった。なんなんだろう。こいつらは。頭が僅かに痛くなる。
ため息をついて視線を自分のテーブルに移すと、鍋はほど空にちかかった。
呆れてアムロをみると「水・・くれませんか?」と麦茶を飲み干したコップを出された。私は諦めてコップを掴んで立ちあがる。
材料はまだまだフンダンにあるのだから、そんなに焦って食べることは無い。
だが、私が厨房から戻ってくると、すでにジオンにも連邦にも肉は無かった。
レビルが口一杯に肉を含んで、「ジオンに肉無し!」と演説していたのをみて、私はこれからはずっと手抜きしようと心に誓った。
- 19 名前:三月十八日 :03/06/18 20:00 ID:???
とまあ、こう言う風に鮮明に彼らの行動を一挙一投足をあげるのはたやすいがヒジョーにメンドクサイので後は省略だ。
なお、事実とは異なっている部分もある。ていうかほぼ違うかもしれない。まぁ、日記だからいいだろう。
べつにどこに提出するわけでもないのだ。
とにかく騒がしい食卓だった。
それとさっき風呂から上がるとこんなもの食堂脇の掲示板に張られていた。
誰が作ったのかはしらないが、中々なので貼っておく。ちなみに私はこんなキャラではないんだがな・・
今日はとても疲れた。寝ることにする。
- 20 名前:三月十八日 :03/06/18 20:00 ID:???
『ある日の食卓の風景』 読み人知らず
管理人" おい、おまいら!!夕食ができますた。リビングに集合しる
レビル" 詳細キボンヌ
管理人" 今日はすき焼きですが、何か?
レビル" すき焼きキターーーーーーーーー
カクリコン" キターーーーーーーーーー
アムロ" すき焼き程度で騒ぐ厨は逝ってヨシ
イザーク" オマエモナー
アムロ" --------終了-------
レビル" --------再開-------
ブライト" 再開すなDQNが!それより肉うぷキボンヌ
ロラン" しらたきうp
管理人" ↑誤爆?
スレンダー" 野菜age
ロラン" どうぞ肉>家族
グエン" ↑や ら な い か ?
カクリコン" 神降臨!! 肉まいうー!
スレンダー" 野菜age
イザーク" ageんな!sageろ!
スレンダー" 野菜age
イザーク” 貴様ァ!!
ロラン” まぁまぁ、お肉どうぞ>イザーク
グエン" ↑や ら な い か ?
ブライト” 美味そうに焼けたな。撮影を許可するぞ。
アムロ” 撮影してどうするっていうんです!あなたはいつもそうだ!
ブライト” なんだ貴様!上官に逆らうのか?!
ロラン” 二人ともやめてください!仲良く食べましょう?
グエン" ↑や ら な い か ?
イザーク" 阿部高和uzeeeeeeeeeeee!!
スレンダー” 野菜age
レビル" ageっていってればあがると思ってる香具師はジオン
トミノ" イタイ住人がいるのはこの寮ではないかと小生は思うのです。
管理人" 禿げ氏ね
ブライト" むしろエクソダス
スレンダー" 野菜age
レビル" ジ オ ン 必 死 だ な (w
(第十八日目終了)
- 21 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/18 21:32 ID:???
- さりげないトミノにワラタ
賑やかなこの中からまた脱落者が出ていくのは寂しいけれど
- 22 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/18 23:02 ID:???
- 乙彼様です。毎回笑わせてもらってます。
- 23 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/19 05:03 ID:???
- レビル将軍が地味に存在感あるなぁ
時期はずれですがすき焼き食べたくなりました
- 24 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/19 13:49 ID:???
- すき焼きマイウーage
- 25 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/21 03:29 ID:???
- 保守ですよ 念の為
- 26 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/23 13:53 ID:5Yid+IiR
- 保守アゲ
- 27 名前:三月十八日 :03/06/23 21:43 ID:???
- なんと言うことだ…。体中が痒くてしょうがない。
この間の肉がどうも、なにかヤバイ肉だったようだ。
連邦テーブル組みはまだ症状が軽い。
だが、ジオンテーブル組みはスレンダー以外の連中は逝ってしまった…。
最後は体中が被れ、爛れ、全身を掻き毟しり、皮膚が腐り、腐臭が漂い、奇声を上げ、
皆、最後は壮絶だった。
スレンダーの手によって、昨夜のうちに中庭に埋められている。
奇妙な連中だと思っていたが、ああいう最後を見てしまうと、同情の念もわかないでもない。
アムロもブライトもレビルの爺さんも体中が腫れ上がっているようだ。
ああ、体中が痒い…。
- 28 名前:三月二十一日 :03/06/23 21:54 ID:???
- 相変わらず体中が痒い。痒くてしょうがない…。
昨日の日記に日付を間違えた。どうも注意力がさんまんになって来ている。
そんなことは、どうでもいい、昨日のよる、ジオンテーブルの連中が
とつじょ土の下からよみがえった。所々骨が見えてるのに動き回りやがる。
スレンダーが運悪くイザークだったものに噛み付かれた。
見る間に他の生きる屍どもに押し囲まれ、悲鳴が聞こえた。
私らはその間に部屋に避難し、内側から鍵をしめた。
スレンダー…おまえはそこに残れ…。私らが生き延びるために…。
- 29 名前:三月二十二日 :03/06/23 21:57 ID:8L4/60fx
- かゆみが止まらない。レビルからだじゅうをかきむしり奇声をあげうるさい。
あむろとブライトと強力してだまらせる。
へやの外がうるさい。鉄扉をかきむしる音がきこえる。
- 30 名前:三月23にち :03/06/23 21:58 ID:???
- カラだ痒い。おなかヘル。れびるうまそう。
- 31 名前:3 24 :03/06/23 22:00 ID:8L4/60fx
- みな、で れびるたべる。うまい。
カラだかゆい。
- 32 名前:3 25 :03/06/23 22:00 ID:???
- カユ ウマ
- 33 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/23 22:20 ID:???
- 随分と懐かしいオチだな。
- 34 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/24 15:15 ID:???
- え・・・
- 35 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/24 15:24 ID:???
- 終わった! 第三部完っ!
- 36 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/24 19:33 ID:???
- 偽物だろ、どう考えても。
面白かったけど。
- 37 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/24 23:23 ID:???
- 元ネタなんだっけ?
- 38 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/24 23:42 ID:???
- >>37
バイオハザードってゲームじゃないか?
- 39 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/25 01:10 ID:???
- >>38
さんくす。
どっかでみた憶えがあったが思い出せんかった。
- 40 名前:ほげら~ :03/06/26 00:53 ID:???
- 昨日久々にバイオハザード1をやったよ。
ゾンビからダッシュで逃げる。
ナイフで刺す。
倒れたゾンビにナイフ上からとどめ。
やっぱ名作だなぁと思ったよ。
あの劣悪と思えた操作性も慣れればどうということはない。
関係ない話でスマソ。
まぁ一応保守するついでってことで。
- 41 名前:通常の名無しさんの3倍 :03/06/27 18:19 ID:???
- 保守です
- 42 名前:1 :03/06/28 00:15 ID:???
皆様お久しぶりです。保守ありがとうございます。
バイオハザードの話で盛り上がっているようですが、あれは私ではありません(笑)
非常に面白かったですが・・残念ながらそういった落ちではない予定です。
話はゆっくりと核心に入っていく予定です。まだまだ先は長いですが、マッタリ読んでください。
>>27-32
えー、非常に面白かったです。スレンダーに死体処理とか全てさせるとこがナイスです。
こういう落ちもありかな、と思ってしまった自分がいました。
バイオハザード面白かったですよね。名作です。3以降のは、やってませんけど。