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第三回天下一武道会 幕間 ~その1~

[ 第三回天下一武道会 サイドA ]

第三回天下一武道会 幕間 ~その1~

634 名前:おまけー未公開ボツ作品投稿日:03/07/02 19:40 ID:???

      管理人の部屋の押し入れの下の段には、大きなダンボールが置かれている。そこにはボツになった作品が多量に入っている。
      面白くない、とか版権の都合で発表できないものや、また少年雑誌にふさわしくないものを保管しているのだ。万が一の時のためだ。
      その中にはロラン2分の1、みたいな作品が誰にも触れられることなく多数眠っている。
      その内の一つを今日はお見せしよう。


        『ジオングクエスト2~悪霊の神々~』  ランバラル


内容      どうしてこんなことになっているんだろう。


         トンヌラには訳がわからなかった。

 
        「だから、迷惑だっていっているんだよ!」
        ローレシア王子もょもとの苛立った声が、ここ、不気味な気配の漂うハーゴン城の一階で響いていた。
        敵の本拠地だから当然といえば当然なのだが、呼吸する度に妖気がただよっていて厭な気分になる。人がいるところではない。
        「まぁまぁ、落ちついて。ほら干し肉でもどうだ?坊主?」
        「俺は坊主じゃない!貴様失礼だぞ!」
        「ハッハッハ。すまんな。つい知っている奴らに似ていたものでな。」
        「知ってるやつ?だれだよ!それ!」

        トンヌラは彼らのやりとりを眺めながら、困惑を隠せなかった。
        どうしてこうなっているんだろう。ブーツの先に付いている土を床を蹴って落としながら、彼はもう一度呟いた。
        旅は順調のはずだった。うんざりするほど困難で、長く、鬼畜と思われるロンダルキアの洞窟を抜けたのは、ついさっきのことだ。
        キラーアーマーや、ドラゴンといった最強の敵を振り払いながら、なんとか出口をみつけて、ほうほうのていで抜け出した。
        一面に広がる銀世界 それに感動できたのもつかの間だった。敵はここにもウンザリするぐらいいたから。
       、ぬかるむ雪を駈けぬけながら、迫ってくる敵を魔法で追い払った。敵は、しつこく、集団で、圧倒的に強かった。
        べギラマを唱え、力の盾を使い、ザラキの恐怖に怯えながら、自分たちは先に進んだ。ハーゴンの城は目の前だった。
        だが、山があるので、大きく迂回していかねばならなかった。
        一人では死んでいただろう。この三人、もょもとと自分、それに王女のサマンサがいなければきっと無理だった。過酷な旅だった。
        ようやくたどり着いたハーゴン城。不気味な建物、一見場違いな場所にある城。
        その城の辺りには、濃い乳白色の霧が漂い、視界はほぼなく、多量に積もった雪で、足首まで埋まるほどだった。
        中に入って、まやかしを払い、さて、戦いが始まるというところで、謎の乱入者たちが現れたのだ。


635 名前:おまけー未公開ボツ作品投稿日:03/07/02 19:45 ID:???
        
        
        「わし等も戦いに参加するよ。」 
        ルビスのまもりを大事に麻袋にしまっていると、大理石でできた柱の向こうからそう声がかかった。
        三人組の中のリーダーと思われる男が、でてきてそういったのだ。

        「わしらも加えてくれ。」
 
        もょもと達は、困惑した。彼らは、ロトの子孫たる自分たち以外が、ここに来ることは不可能だと思っていた。
        一般の人間では、ここにくる前に死んでいる筈だ。
        考えられる理由は二つ在る。一つは、彼らが自分たちと同じ位強いということだ。だが、これはどうも考えられない。
        だとすると、もうひとつ。これは罠だ。まやかしだ。
        つまり、彼等は、人間ではないのではなくて、魔族が化けているんじゃないのか?

        魔族も手の込んだことをする・・
        トンヌラは、ハヤブサの剣の柄を強く握り締めてやや下がった。隙を見せたら切ろうと思った。


        「おっと。そこのボウヤ。余計なことしないように。」
        男の後ろにいた一人がトンヌラの行動に気が付いて、注意した。そして、リーダー格の男の後ろにそっとたって耳打ちした。
        「大尉、こいつら完璧に誤解してますぜ。切り殺されちゃたまらねえ・・どうします?」
        「そうだな・・」
        
        大尉と呼ばれた男、これは無論ランバラルである。
        話すと長くなるので細かいところは割愛するが、簡単にいうと彼等はここにワープしていた。
        宿屋の親父にお楽しみ、といわれて赤くなった瞬間に、突然ロンダルキアの大雪原に立たされていたのだ。
        乗っていた機体は、呆然としているときに現れたギガンテスとの戦いで破壊されていた。グフとギガンテスの能力はほぼ互角だった。
        グフのヒートトマホークが、ギガンテスの顔面に決まったが、向こうの棍棒もこちらの顔面を破壊していた。
        ランバラル、ガイア、オルテガ、マッシュの四人のうち、マッシュはその時にブリザードの所為で死亡した。
        彼等は近くの祠に逃げて、そこにいた神父の話を聞いて大体のことを理解した。
        そして、その後、ここハーゴンの城で、勇者達がくるのを待っていたのだ。
     
        だが、どうやらロトの子孫達は警戒していて、自分たちのことを仲間に加えてくれそうになかった。
        まぁ当然といえば当然だった。いきなり変な中年が現れて、仲間にしてくれといっても信じるやつらなどいない。
        ランバラルは困った。ハーゴンを倒せばひょっとして元の世界に、帰れるかもしれない、と思っているからだ。
        ここは、彼らの警戒心をといて、一緒に行動することを考えなくてはならない。
        


636 名前:おまけー未公開ボツ作品投稿日:03/07/02 19:54 ID:???

        「坊主達・・ロトの子孫だったな。となると、ロトについての文献は当然一通り読んでいるよな。」
        「・・ええ。無論読んでるけど・・それは僕ら王族にとって聖書みたいなもので、子供のころから叩きこまれてるし。」
        「そうか。それなら話は早い。それではその文献の中にロトの父親の名前があっただろう?」
        「あったけど・・・・」
        「なんて名前だ?いってみなさい。」
        「・・オルテガ・・」
        「そう!オルテガ!勇者ロトの父親、海パン馬鹿一代。カンダタと一緒のグラフィック。違うのは色だけ。
         最初プレイしたときは、イルミネーターがなぜゾーマの城にいるんだ?、と子供心に真剣に思ったほどだ。
         誰もがそう思ったし、バラモスゾンビに負けるその姿に、かっこいい勇者の親父というイメージは一瞬にして消えた。
         寧ろどっちもゾーマの配下に見えた・・哀しかった。あんな奴の息子なんて・・
         ・・・・話が脱線したな・・そんな少年期の心温まる夏の日の想いでは、ともかくとして、だ。
         あの勇者ロトの父親!これが君達の目の前にいるこいつだ。」
        ランバラルはオルテガの腕を掴んで大げさにそういった。
        突然のことにオルテガは、ひきつった笑いをうかべることしかできなかった。ランバラルに背中をつねられてやっと喋った。

        「オ、オルテガです・・よろしく・・」
 
        (ちょっと・・かなり無理ありません?それにグラフィックってなんのことです?)
        (気にするな。お前が知ることはない。)
             
        「す、すげーー!!」 
        「やだ、あたしこんな格好で恥ずかしい!」
        そんなオルテガの挙動不審の態度にも気が付かずに、ロトの子孫達は、大喜びで反応した。本当に信じていた。
        ちょっと考えれば違うってわかるようなものだが、彼等の脳は長年の戦いでちょっとおかしくなっていた。もょもとは特にひどかった。
        名前もヒドイが頭もひどくなっていた。まぁ、とにかく彼等はそれを信じた。ロト、という言葉がつけばなんでも信じるのかもしれない。

         「それじゃ、こっちの人も・・?」もょもとがもう一人、ラルの右後ろにいる人物のほうに視線をやった。

         「あぁ・・そいつは・・・なぁ・・ちょっとまてよ・・そうだ!あれだ・・勇者ロトに剣を与えた人物。ガイアだ。」
         ランバラルはしどろもどろになりながらも、そう紹介した。
         「ガイアです。よろしく。」のりのりで応えるガイア。歯茎を見せて、しっかりと笑う。
         「あぁしってる!海の中にある孤島の祠に幽閉されて死んだ英雄で、ロトが火山に投げ込んだ剣の持ち主でしょ?」
         もょもとが得意そうに、そう発言した。その顔は、実に嬉しそうだ。
         
         「そうだ。君は実に賢いな。」
         ランバラルは、そう彼を誉めると、オホン、と一回おおげさに咳をして、三人を見渡した。
         もょもと、トンヌラ、サマンサは、英雄をみるような目つきで彼を見つめている。
       
         「そしてワシがランバ・デ・ジュニアール三世。
          ザクを切り、グフを切り、ドムを切る。ランバストラッシュのラルだ!聞いたことあるだろう?!」
         

          (おい・・きいたことあるか?)
          (いや、僕もないよ・・・ザクって大体なんなんでしょう・・)
          一気に少年達の顔色が曇った。

637 名前:おまけー未公開ボツ作品投稿日:03/07/02 20:02 ID:???

          「さ、それじゃ、皆でボスを倒しにいこうじゃないか?」
          彼らの不安を立ちきるようにランバラルがそう宣言した。
          返事も待たずに、階段を上る。その後ろをフルオートマチックマシンガンを持ったガイアがついていく。
          もょもと達も当惑しながらついていった。

          (果たしてこの戦いはどうなるんだろう・・)
          装備していた破壊の剣からハヤブサの剣にもょもとはしっかりと持ち替えながら、気を引き締めた。
          サマンサは、オルテガに住所と電話番号を聞かれていた。
           

          トンヌラは一番後ろを歩きながら、頭が痛くなった。
          ロンダルキアの洞窟より大変そうだ。
         長い長い階段を登って二階にたどり着く。フロア中に、耳をつんざくような巨人の足音が響いていた。
         ドシン、ドシン・・並大抵の体積のモンスターじゃない。ギガンテス・・?ひょっとしたら巨人族の長アトラスかもしれない。
         トンヌラは背中に冷や汗を掻いた。自分のMPは、残り少なくなっているし、サマンサも同じだ。たたかって勝てるのか果たして自信はなかった。
         ランバラルは、懐に手をやって手榴弾のピンに指をかけている。
         足音は次第に、ちかづいてきていた・・




         「いくぞ!俺達の戦いはこれからだ!」 
  
  


          ご愛読ありがとうございました。おわり。


          ※編集者の指示により此れいじょう続きはかかないでいいということになった。つまりボツだ。
           これから面白くなるところだったのに・・パズズの攻撃によりオルテガの戦死、ピンチにマッシュの登場。
           ピグザムが最後に現れて、それにのってのランバラルの特攻、もょもとの涙・・全部パーになった。ショックだ。(ランバラル)


原稿の最後に書かれている管理人の評

             「もょもとって時点で現在の小学生にはわからない可能性があるので、ボツ」




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