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第二回天下一武道会 エピローグ (3)

[ 第二回天下一武道会 ]

第二回天下一武道会 エピローグ「だって。俺は。」

54 名前:投稿日:03/03/13 01:08 ID:???




まったくやってらんねぇぜ。
男は呟いた。熱い。窓を開ける。だが、風は入ってこない。
男は舌打ちした。頭が馬鹿になりそうだった。






エピローグ幕間    「  だって。俺は。   」







地球。
そこのある砂漠地方。そこに砂に伸縮されつつある街があった。


とても暑い日だった。
太陽の暴力的な熱量が、整備されたアスファルトに焼きついている。
熱は、まるでホットプレートのようにジリジリと表面を焦がす。大気中にその熱気が広がっている。
とても、とても暑い午後だった。この地方でも滅多に無いような暑い日だ。




55 名前:投稿日:03/03/13 01:10 ID:???





そんな中。



ひときわ大きな会場の前の屋外駐車場に一人の男が車に乗っている。
彼は、ここで主人の出席している会議が終わるのを待たされていた。
乗っている車は、完全に黒塗りで、非常に高価そうに見える。とてもじゃないが、一般人には手の届かないものだ。
しかし、ここでその色は明らかに熱を吸収しまくっていた。ミスだ。中はうだるような熱さが渦巻いていた。
運転席の男は、完全にへばりきっているようだった。この熱さだ。無理もないだろう。


男はハンドルに持たれかかるようにして、ぐったりとしている。完全に熱さにやられているようだ。
だが、時折、思い出したように、顔を挙げるのでどうやら気を失うまではいかないらしい。
男は、熱い、喉が乾いた、死ぬ、冷たい水が欲しい。できれば女も欲しい。などと呟いている。
まだ、そういった体力は残っているらしい。これなら心配はなさそうだ。



男は更に呟いた。
「まったくやってられない・・・熱すぎる。こりゃ地獄だ。」
そういって男は、手元に置いてあったミネラルウォーターを取り出した。
キャップを外し、口をつけたが、すぐに吐き出した。どうやら、それはすでに水ではなく、お湯になっているらしい。
いまいましそうに、男はそれを後部座席に放り込む。
カランと、音がして、ボトルが床に落ちた。




56 名前:投稿日:03/03/13 01:13 ID:???



更に男は呟く。独白だ。

「どうして俺はこんなとこでこんなことをしているんだ?
一体どこから間違ってしまったんだ・・?やっぱりあの発言がいけなかったのか?面白いと思ったのに・・
あぁ・・人生やりなおしてぇ・・心の底から思うぜ・・
だいたい・・あの戦争さえなかったら・・いや、あんな命令さえなかったら・・俺はもっと出世していたはずだ。
そうだ、デニムが悪い。あいつがいけねぇんだ・・・あんな上官を持った所為で・・くそ・・
その所為でふんだりけったりの人生だ・・そうだ・・
それに元をただせば、あの戦争を起こしたギレンの野郎も・・くそ・・あのデコやろう・・」

そういってハンドルに思いっきり頭突きをする。一回、二回・・・・十五回して頭突きはやんだ。
かなり物騒なことをいっている。もう少し、前の時代なら、この男は銃殺されていただろう。
熱さの所為でだいぶ、思考が過激になっているらしい。まだ、彼は愚痴をいう。今度は叫ぶように。


「それにこの処遇・・一体、何だと思ってるんだ、あいつ・・運転手なんて・・待遇だとは・・
俺は命令どうりにずっとあそこにいたんだぞ?極寒の寒さの中・・耐えていて・・
それをまだいたの?って感じの目で見やがって・・・忘れていたのかよ・・悲しいぜ・・
いたさ!わるいかよ!俺は馬鹿だからな、変な命令でも遵守するんだ。それは先の戦争で実証済みだろ!
あの時だって、俺は残った。曹長の命令を守った!それを・・いや、これは今は関係ない。
とにかく!あそこにいるのがどんなに辛かったか!誰もわかんねえだろう!
夜は凄く冷えるのに毛布一枚だったし、ランプつければ瞬時に虫は寄ってくるし、食べ物は乾パンだけだったし・・
それでも俺は約二ヶ月近く、あそこにいたんだからな。どう考えたって誉められるべきだろう?
それなのに・・それなのに・・」


頬を冷たいものが走った。
いつのまにか涙を流していたらしい。それを服の袖で男は拭った。


57 名前:投稿日:03/03/13 01:17 ID:???



「それにあの野郎・・いつのまにかマスク被るのやめやがって・・
トレードマークじゃなかったのかよ・・ちくしょ・・俺の方が年上なんだ・・
けど・・妹・・物凄い美人だったな・・」

男は一瞬だけ、顔を赤くした。みかけによらず純情なのかもしれない。
今度会えたら、電話番号ぐらい聞いておこう、と男は思った。そしてまずは映画に誘って、と男の妄想は広がっていった。
一人で数ヶ月過ごした後遺症かも知れない。想像力は、強化人間並だった。
男が、妄想に浸っていたその瞬間、突然、一人の男が後部のドアを開けた。
運転席の男は、ギョッとして後ろをみる。金色の髪の男が、こちらを覗き込んでいた。
金色の髪、意思の強そうな眼光、どこか人と空気を緊張させる雰囲気を持った男だ。威厳といってもいい。
こういった雰囲気を持つのは選ばれたある種類の人間だけだ。彼は言った。


「どうした?一体ここで何をしている。もう会議は終わった。
三時に玄関前だと言っておいただろう・・どうして来ない?車が故障でもしたのか?」
金髪の男の唇が開き、いぶかしそうにそう尋ねる。

慌てて、男は時計を見る。三時十五分。男の顔色は瞬時に、真っ青になった。
「い、いえ・・!そんなわけじゃないんですが・・イテ・・!」

男は焦りのあまり、舌を噛んだ。血の味が一気に口の中に広がる。男は顔をしかめた。
 「も、申し訳ありません!・・うっかりしておりました!」

そんな男の様子を、見ながら、その金髪の男は溜息を吐きながら言った。
「まぁ、この熱さだ・・ぼうっとなるのもわかるがな。しっかりしてくれ。
まぁ、私も久しぶりに来て、この熱さには驚かされたしな。貴様の気持ちもわからんでもない。今回は見逃してやろう。」



58 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/13 01:18 ID:p/W0z+lB
age

59 名前:投稿日:03/03/13 01:20 ID:???



金色の男は、後部座席に座って、足元に落ちてあるペットボトルを拾い上げながら、笑った。
その寛大な言葉に彼は、先ほどの自分の悪態振りを思いだし、恥じた。
もしも軍隊でこんな失態をすれば、修正をくらうところだ。男は寛大な処置に心から感謝した。

「はっ・・まことに申し訳ありませんでした!それでは、直ちに出発いたします!」
「ン・・・空港だ。急いでくれ。」

運転手の男は、キーをひねり、エンジンをかけた。
途端に、通風孔から冷風が、出てきた。エアコンの有り難さを男はつくづく実感した。
火照った体に、冷気が吸い込まれていくようだ。生き返る。女を抱くより気持ちがいい、とまでは思わなかったけれど。
しかし、もうこれで、灼熱地獄とはおさらばだと思うと、男のアクセルを踏み込む足取りも軽かった。


順調に車は、目的地である空港に向かっていて走り出した。



途中、バックミラーで後部座席の様子を確認した。
金色の男は、何やら鞄から手紙を取り出して、読んでいるらしい。
それの邪魔にならないように、なるべく車を安定させようと注意深く走る。
所々のアスファルトは塗装がはげているため、車が揺れるからだ。
男は、この主人に仕えて本当によかったと神に感謝していた。とても単純な男だった。




60 名前:投稿日:03/03/13 01:22 ID:???






五分後のこと、快調にドライブをしていた男だったが、急にプスン、プスンと音を立て車が止まった。
エンジンがイカレタな、と運転手であるこの男は思った。ウインカーを出して車を道路の脇に寄せる。
降りてエンジンを一応確かめることにする。また、熱い日差しを受けると思うと、うんざりした。
案の定、外は酷い暑さだった。エアコンに慣れつつあった身体には、それは絶えがたいものだった。
熱いボンネットの向こう側にあるエンジンを苦労して覗きこむと、自分の推測が当たっていたことがわかった。
数時間あればなんとか直せそうな気もするけれど、そんな時間は勿論なかった。彼の主人である金色の男は忙しい。
それにここでそんな作業をしていたらそれこそ日射病になるだろう。
一応、現状を報告しなければならない。

そこで彼は後ろを振り返る。
そこには、金髪の男はサングラスをかけて既に後ろに立っていた。



「申し訳ありませんが、どうやら車がいかれちまったらしいです。」
そう肩をすくめながら男は言った。






61 名前:投稿日:03/03/13 01:24 ID:???




「そうか・・故障か・それは弱ったな。私はここでこんなことをしている暇はないのだがな。時間が無い」
「そうはいっても・・どう急いでみても、修理には最低一時間はかかりそうですぜ。」
「そんなにか?どこが故障してるんだ?ちょっと見せてみろ。」

金色の男がそういってエンジンをのぞきこもうとしたとき、車のクラクションの音がした。
彼と運転手の男は顔を挙げて確認する。
人目で、人がよさそうだとわかる恰幅のいい中年が、車を寄せてきてくれた。オープンカーだ。
それも真っ赤な二人乗りのスポーツカーだ。これもそうそう一般の人が買える車ではない。
「どうなされました。」
こちらのボンネットをあげている様子をみて親切に寄ってきてくれたらしい。
サングラスを外した金髪の男が事情を話すと、彼はそれならそこまで乗せていってあげようと言った。

「ただし・・」と、男は続けた。



その言葉を聞いたとき、男は厭な予感がした。
こういったパターンは非常にまずい。直感的に、経験的に男は感じた。
これもある意味、ニュータイプ的洞察力かもしれない。





62 名前:投稿日:03/03/13 01:27 ID:???


その恰幅のいい男は、こういった。
「だだし、一人だけだよ。見たらわかると思うけれど、この車は二人乗りでね」


間髪入れず、金色の男は答えた。
「それで結構。感謝する。この男はここに残るので問題無い。」


そうだな、といってこちらを振り返る。
しかし、もちろん男はそれに反論できるわけが無い。笑顔で、勿論です、と言った。
そして最敬礼で二人が去っていくのを見送った。
見送る男の耳には、最後に聞こえたのは、この車は素晴らしいカラーリングだと誉める金髪の男の声だった。




男は一人、灼熱の道路に残された。溜息を吐いて、空を見上げた。
太陽が、彼を焼きつくそうとばかりに燃えているように見えた。
いいさ、と男は心の中で思った。
残るのは慣れている。全然、悲しくなんか無い。だって。俺は。ス○ンダーだから。
そう呟いた男の頬から、一筋だけ、流れ落ちる滴があった。
その滴は、アスファルトの熱の所為で、瞬時に蒸発して消えた。







63 名前:投稿日:03/03/13 01:34 ID:???





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えーと、おまけっていうか、たまにはギャグ系の物をエピローグの幕間として。
前スレの147さんがこの人物の再登場を希望なさっていたので、書きました。
かわいそうですが、彼にはこういった人生がとても似合うと思うので(笑)


64 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/13 02:13 ID:???
これ終わったら、また第一回の様な作風で書いて欲しいかも
何か書く気があるならだけど

65 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/13 05:44 ID:???
笑わせていただきました。
哀れ、スレンダー

66 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/13 12:52 ID:???
1さんお疲れ様です。
やはり残されるのか…(T T)
あのスレの功績はあまりにも偉大だ…

67 名前:kanrinin投稿日:03/03/14 00:24 ID:???
保全

68 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/14 13:04 ID:???
保守
土曜はしっかりやらんとヤバイな

69 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/15 00:13 ID:???
保全

70 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/15 01:59 ID:???
種曜日対策age

71 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/15 16:18 ID:???
ここだ、ここで保守るんだ

72 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/15 21:47 ID:???
保守

73 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/16 00:42 ID:???
もいっちょ

74 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/16 05:52 ID:???
早朝


75 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/16 13:59 ID:???
昼下がり

76 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/16 17:10 ID:???
言ってはいけないことを言うスレの人へ

落ちてないよー 安心しるー

77 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/17 00:04 ID:???
日付変更保守

78 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/17 09:16 ID:???
午前保守

79 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/17 16:49 ID:???
携帯からでも保守

80 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/18 00:54 ID:???
深夜保守・・・・と書くと「らしい」(笑)

81 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/18 10:44 ID:WGp7luZr
朝age

82 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/19 00:35 ID:???
夜sage

83 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/19 11:46 ID:???
昼sage

84 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/19 18:32 ID:???
夕sage

85 名前:kanrinin投稿日:03/03/20 01:05 ID:j4Jc9baa
深夜age

86 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/20 11:10 ID:???
昼sage

87 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/20 21:28 ID:???
夜sage

88 名前:アンチテーゼ投稿日:03/03/21 00:45 ID:???

「ねぇ、平和の反対ってなんだと思う?」
私は、街角でこんなアンケートを取っている。なんのためにかって?暇だから。
その浅黒い少女に尋ねたのは、午後のことだったわね。その子は郵便局の前で、ぼうっとしていたの。
どこか人を惹きつける素養をもった子だったわね。私が興味を持ったのもその所為かもしれない。

「突然ごめんなさいね。ちょっとしたアンケート。」
少女は驚いた顔でこっちを見た。まずい変質者と思われる。私は少しあせる。

「あ、安心して。別に貴方をとって食おうってわけじゃないわ。ただ質問に答えてほしいだけよ。
えーと、私のいいたいことわかる?平和の反対のイメージを具体的に教えてほしいの。
たとえば、幸福の反対が不幸のように。」私はそこで一旦、言葉をきる。

「参考までに言っておくと、大抵の人は、平和の反対は戦争だって言うわ。私はそれは違うと思うの。
確かに戦争の反対は平和だけど、平和の反対は戦争ではない、と思うの。
たとえば、赤の逆が白だけど、白の逆は黒のように。だって、平和じゃない=戦争って変じゃない?
少なくとも私はそう思うの。じゃあ平和の定義とはなにかしら?それが知りたいの。
だから、毎日街頭にたって、こんなアンケートを取っているのよ。」

私はそういってカラカラ笑う。自分でも、暇なことをしていると思う。
別に答えを探しているわけじゃない。ただ、いろんな人の考えを聞いてみたいと思ってるだけ。
少女は少し考えた後、こう言った。

「元々の、平和とは、魂がそれぞれの家に戻ることでありましょう。
父が、母が、そしてそれぞれの連れ合いが、寄り添うことの出来る世の中のことでありましょう。
だから平和の反対は・・孤独でありましょう。」

私は驚いたわ。しっかりとしたその考えに。人はみかけによらないってのはこのことね。
そして私が驚いている内にいつのまにか少女はいなくなっていた。
気がついたら通りには、私と、ピエロと数人の見物客しかいなかったわ。うーん。孤独、か。
これだからアンケートは面白い。


89 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/21 13:46 ID:???
 

90 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/21 18:23 ID:???
保守だな

91 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/21 20:29 ID:???
>>88も面白かったんだが、これコピペなんだろうか。

92 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/22 01:16 ID:???
明日のためにage

93 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/22 02:05 ID:uTIW/L1u
>>92
ageぞこない(w

94 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/22 22:52 ID:???
夜保

95 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/23 02:20 ID:???
深夜保全

96 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/23 09:20 ID:???
念の為の朝保守

97 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/23 15:56 ID:???
午後3時の保全

98 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/23 19:53 ID:???
漏れの中の人も大変だな保全

99 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/23 21:08 ID:???
超保守

100 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/24 00:13 ID:???
深夜age

101 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:03/03/24 10:30 ID:???
昼前のage

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