第二回天下一武道会 第九章
[ 第二回天下一武道会 ]
- 72 名前: 1 投稿日: 02/11/18 02:57 ID:???
- 第九章「錯綜する思惑」
艦長室に話は戻る。
「さて・・と」
シャアは艦長室の寝室で、プリントアウトした書類を確認していた。印刷漏れ、ミスはないか念入りに。
神経質と思われるかもしれないが、二度と艦長室に戻ってこれないのだ。ミスは許されない。
シャアが慎重になるのも無理はない。
ナイフを持った男はジリジリと背後から慎重にゆっくりと近づいてくる。シャアは気付かない。
オトコが静かにナイフを振り上げる。
しかしシャアは寸前のところで背後の気配に気が付いた。
この第六感は彼がニュータイプに覚醒しつつあることを示しているかもしれない。
ともあれ彼は振り向き、目の前にいた人物を視界に捉える。
「ガルマ!」
シャアはナイフを握り締め後ろにたっていた人物を見つけると、慌てて後退しながら叫んだ。
迂闊だった・・。私としたことが書類に気を取られていた。シャアは舌打ちした。
「勘が鋭いな!シャア!貴様も艦長室に忍び込んでくるとはな!・・」
第一撃をかわされたガルマが再びシャアに飛び掛る。
シャアが手に持っていた書類を投げつける。ガルマが左手でそれを払う。
その隙に寝室を飛び出したシャアは一先ず逃げようとした。が、床に散らばった書類に足を取られ、体勢が揺らいだ。
「シャア!」
ガルマが後をすかさず追いかける。
後ろから飛び掛りシャアに掴みかかる。
「チィィィィ!」
反応しきれないシャアが押し倒される。
倒れる最中近くにあった椅子に強く頭をぶつけたシャアは一瞬力が抜けた。
すかさずガルマが上に圧し掛かりマウントポジションを取る。
そしてナイフを素早くシャアの喉元にあてる。
- 73 名前: 1 投稿日: 02/11/18 03:03 ID:???
(く・・・これまでか・・エエィ・・あと少しというところで・・)
シャアは覚悟を決めた。
ガルマがナイフを軽く引くだけで頚動脈は切れる。お終いだ。
しかしガルマは馬乗りのままシャアにいった。
「何の目的があるかは知らんが・・シャア!命が惜しければ先程の書類の内容を教えろ!
そして・・・ジオン再興のためにもう一度協力してくれ!
お前が私・・・ザビ家に恨みを持っているのはわかる。だが、もはや時代は過ぎたのだ。
過去の事は忘れて、未来の為!宇宙移民者のために協力してくれ!
確かに私の父は、ジオン・ダイクンを謀殺した!しかしもはや済んだことだ!父は死んだ。
我々はいい友達だったろう?なぁ、そうだろう?シャア!ジオンに戻れ!
私はお前を殺したくはないのだ!」
ガルマがそうシャアを説得する。
彼は士官学校時代の学友を殺す気にはなれないらしい。
先程のように後ろを向いているときならともかく、こうして顔を突き合わすと情が湧いたのだろう。
相変わらずの甘ちゃんぶり、かわらんな・・シャアはガルマのためらいの表情を見ながら思った。
もし私が逆の立場なら不意をついて即殺すだろう。ためらわずに。それが軍人だ。
(ガルマ・・貴様は軍人には向いておらん。軍人は非情でなければつとまらんのだ)
シャアはそう心の中でガルマに語りかけた。
「どうなんだ!シャア!戻るのか、戻らないのか!」
ガルマが切羽詰った声で問い掛ける。
シャアは
「わかったよ、こうなった以上仕方がない・・・ジオンに戻り協力しよう。私たちは友達だからな・・ガルマ。」
とにこやかに微笑みながら言った。
だが、左手はさりげなく腰の拳銃のあたりに手を伸ばしていた。
- 74 名前: 1 投稿日: 02/11/18 03:07 ID:???
- 「シャア・・嬉しいよ。赤い彗星の君がいれば百人力だ」
ガルマがナイフを喉もとから外した。
そして立ち上がる。
倒れているシャアは
「すまんが手を貸してくれ。腰を強くうったらしい・・起きるのがきつい」
といって右手をガルマの方に挙げた。
「シャア・・訓練を怠けていたのか?この程度で」
笑いながらガルマがその手を握る。シャアは上体を起こしながら
「ところで、一つ聞きたいのだが、・・ギレン閣下はまだこの艦の目的に気がついていないのだな?」
「ああ、そうだ。それで私がこうして探し・・」
その瞬間銃声が響いた。
「な?シャ・・シャア?」」
ガルマは熱い塊を腹部に感じ、うずくまる。
銃弾は正確に肺を貫通しているようだ。呼吸ができない。ガルマは呻いた。
「オ・・オマエ・・何故・・」
ガルマが信じられないといって表情でシャアを見る。
シャアの顔はガルマの鮮血で血まみれだった。
シャアは握られている右手にガルマの注意を惹きつけておいてその隙に左手で拳銃を撃ったのだ。
ガルマの腹に二発立て続けに。至近距離で。
- 75 名前: 1 投稿日: 02/11/18 03:13 ID:???
「・・坊やだからさ」
鮮血を袖で拭いながらシャアが冷たくいった。そして握っていた右手を離す。
ガルマが床に転がる。立っていられない。力が抜ける。
「今更ジオンの再興が成し得るなど考えるのは貴様らザビ家の人間だけだ。連邦を倒す?そんな事ができるわけがなかろう?
そんな妄想に付き合うほど私はお人よしではない。そしてガルマ・・二度も私を信じるとは・・甘すぎるな・・。」
「シャア・・ァア:」
そう呻くガルマの口から血があふれでる。
「さらばだ、ガルマ・ザビ・・時機に兄もそちらにいくだろうから寂しくはなかろう?」
そういってシャアはガルマのナイフを拾い上げた。
ガルマはもう動けない。銃弾は肝臓を貫通していた。致命傷である。
「それに・・私には目的がある・・。貴様らの茶番に付き合っていられん。」
「シャア・・オマエは・・哀れな・・オト・・コだな・・」
ガルマが苦しげにそう声を絞り出す。
その声には確かに自分を裏切った怒りより、シャアに対する哀れみの色があった。
シャアはその言葉にかすかに動揺した。
(哀れだと?この私が?)
上体をかがませ、ガルマの耳元に近づいて問い掛ける。
「ガルマ!どういうことだ!何故私が哀れなのだ?」
しかしガルマはそのとき既に事切れていた。きつく目を見開いて死んでいる。完全に。
数分前からは想像もできない変わり果てた姿で。
- 76 名前: 1 投稿日: 02/11/18 03:18 ID:???
「死んだか・・」
シャアはじっとガルマの顔を眺めた。手を伸ばしガルマの瞳をそっと閉じる。
「・・見開いたままではあの世でキシリアに笑われるぞ・・
ガルマ・・もし・・今度巡りあえたなら・・・そのときは友になろう。
お互い縛られるものがない状態でな。でないと窮屈でいかん・・」
シャアはそうガルマの亡骸に呟くと、一瞬哀しげな表情を浮かべた。
目的のためとはいえ、だまし討ちはさすがに後味が悪い。シャアは少し自分が嫌いになった。溜息をつく。
そして一旦寝室に戻り、床に散らばったプリントアウトした書類を拾い上げる。
枚数がきちんとあることを確認するとシャアは、ガルマに最後の一瞥をくれて部屋を後にした。
(哀れ、か・・アルテイシア・・お前も・・私を哀れと思うか?)
しかしもちろんアルテイシアはここにいない。疑問の声は誰の耳にも届かないし、どれだけ待っても答えは返ってこない。
シャアは血だらけの自分の服をじっと眺める。多量の血痕が付着している。
が、シャアにはこれがブライトの血なのか、それともガルマのなのかもはや判らなかった。
- 77 名前: 1 投稿日: 02/11/18 03:25 ID:???
自問自答しながらもシャアは自室に戻っていった。
幸いまだ誰もフロアにはいなかった。もし見つかっていれば厄介なことになっただろう。なんせ血まみれなのだから。
自室の部屋の前にたどり着く。
立ち止まり呼吸を整える。拳銃に弾を込める。
ポケットから部屋のカードキーを取り出し、差し込む。
静かにドアが開く。
部屋の中は薄暗く、重い雰囲気が漂っていた。
アムロ・レイは考え事をしているらしく、部屋の隅でうずくまっていた。
その姿は陰鬱なマリオネットに思えた。傍目から見るとその姿には、まるで子供に捨てられた玩具のような脆さがある。
すぐにでも壊れそうな・・存在しているのが罪だといった姿だ。破壊されたがっているように見える。
アムロもこちらに気が付いたらしく、彼は顔を挙げた。その神経質な瞳でこちらを見る。
こちらをみて驚いたらしい。呆然としている。
その理由が自分に付着している大量の血痕であるのはシャアには、わかっている。
そのとき第二戦闘配備の警報がけたたましく鳴った。
それを無視してシャアは静かに部屋の中に入る。
アムロは何も言葉を発さない。こころここにあらずといった感じだ。ただ眼だけはこちらから外さない。
シャアの後ろで、ドアがゆっくりと閉まった。
さて・・それでは・・多少予定が狂ったが・・最後の仕上げといくか
シャアはそう感慨深げに呟いた。
- 78 名前: 1 投稿日: 02/11/18 03:33 ID:???
シャアは部屋をゆっくりと見回した。
そしてアムロ・レイを見る。ララァ・スンを見る。ララァ・スン?
そうこの場に、アムロの後ろに、ララァの姿が見えたのだ。はっきりと。彼の目には。鮮明に。
そして彼女はこちらに向けてそっと哀しげに微笑むと、アムロの背後の闇に紛れて消えた。蜻蛉のようにはかなく。
シャアはそれをみて、かすかに、微笑んだ。ララァ・・わかっているよ・・そう心の中で返事をする。
アムロ・レイに視線を戻す。
彼の姿もまた一年戦争時・・少年の頃のアムロ・レイにシャアには見える。
まだ彼はこちらをじっと見ていた。
シャアは唇を静かにひらくと、ゆっくりと言葉を発した。アムロに対して。
「今から私が喋ること・・よく聞いておくんだな・・アムロ・・」
そう・・・ここからの会話が全ての核心に迫るものであるのだ。
そして三十分間ののちに、アムロは全てを知ることになる。シャアの口から。
シャアの目的は、アムロには信じがたいものであった。
その後、この部屋に一発の銃声が響くことになる。
拳銃というのは素晴らしい。冷たく、重く、無機質である。そしておおむね無口だ。
引き金をひけば、全てを断ち切るのに相応しい音がなる。
- 79 名前: 1 投稿日: 02/11/18 03:37 ID:???
9章はこの後ギレンに視点が変わります。
それでは・・・
- 80 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/18 03:40
ID:???
- おつかれっす!
ところで>>1さんは毎回手打ちで投稿してるんですか?
メモ帳か何かにあらかじめ書いてコピペしてないの?
投稿間隔が気になったもので。。。
- 81 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/18 03:41
ID:???
- >>1
乙!!哀れガルマ・・・
違和感なく原作の台詞が用いられているのがいいですね。
- 82 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/18 18:12
ID:???
- ギレン閣下、遂に降臨━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
激しく激しく期待上げぇぇぇ!!!!!!!!!!
- 83 名前: ろうろん 投稿日: 02/11/18 22:01
ID:hSUxZOpL
- 頑張れ!!>>1さん
- 84 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/19 01:39
ID:???
- 御疲れ様です。
面白くて仕方ないです。
頑張ってください。
- 85 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/19
18:32 ID:VXa1Aj1v
- 保守しておきます。
- 86 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/19
18:36 ID:???
- 保守だぁぁ!
- 87 名前: 1 投稿日: 02/11/20 01:54 ID:???
ギレンの演説から十分経過・・・。
「・・オン!ジークジオン!」
まだ続くのか・・?カツはなきたくなってきた。
やはりこの人達は狂っているよ・・そう思った。狂信的すぎる。
壇上のギレンが再び両手を挙げる。
ジークジオンの大合唱が漸くやんだ。カツはほっと息をついた。頭がいたい。
これ以上続いていたら、カミーユのベッドの横に寝ることになっていただろう。
「諸君。いまはその歓声はここまでにしておこう。後は上手くいった後にとっておかんとな・・それではこれより直ちに艦内制圧にかかる!」
ギレンが力強く宣言する。
「カテジナ、ランバラルはそれぞれモビルスーツの制圧ポイントへ!メカニックの協力者とも連携をとるのを忘れるな!
カツは私と一緒にこい!」
そう指示をだすギレン総帥にスタンバ・ハロイが声をかける。
「閣下!お待ちを・・まだガルマ様が帰ってきていませんが・・」
「そうだったな・・ガルマの奴・・遅いな?だが待てぬ、全ての物事にはタイミングというものが存在している!今が好機だ!
ガルマもあとから駆けつけるだろう。気にせず作戦開始しろ!」
ギレンは自ら拳銃を取り出すと、天井に向けって引き金を引いた。
「祝砲代わりだ。さぁ、行け諸君!ジオンのために!」
「はッ!ジークジオン!」
ランバラル、カテジナが部屋を退出する。すれ違いざまに
「カツ!ジオンのため頑張ろうぞ!」
と、ランバラルが力強くカツの肩を叩いていった。カテジナもウインクする。
痛ッ・・本気で・・?ちょっと・・。
僕はジオンにははいった覚えはないんですけど・・
カツは小声で愚痴った。無論誰にも聞こえないようにだが。
- 88 名前: 1 投稿日: 02/11/20 01:59 ID:???
カツは未だに混乱している。自分の立場に。いつのまにかジオンの一員になってる現況に。
ギレンが壇上から降りた。
そしてカツに声をかける。
「カツよ・・混乱しているのはわかる。君がブライトに恩義を感じているのもな。くだらん感情だと思うが・・
だが、カツよ・・お前は金が欲しいのだろう?それだけの理由で連邦に属しているのだろう?」
その声にカツは顔を挙げる。
確かに・・連邦に忠誠を誓った覚えはない。カツ・コバヤシはただお金が欲しいのだ。
フラウ母さんたちを楽にさせてあげたい。それがカツの乗艦理由である。
「この作戦が成功した暁には、それなりの恩賞を与えよう。連邦の安月給とは訳が違うぞ?」
ギレンはそう言ってカツに笑いかける。
「今の我々の戦力は乏しい・・クルーの中にも賛同者は多数いるのだが・パイロットの数がな・・
カツ・コバヤシよ?ジオンは君をパイロットして丁重に扱うことを約束しよう。・・もうモップ掛けは飽きたろう?」
この言葉がカツにとって決め手になった。
ドッグでのロランの顔を思い出した。確かに連邦の連中は気に食わない。
それにこのギレン・・FMVで馬鹿やっていた時とは違う。カツはそう感じた。
(なんというかオーラが漂っているんだよな。カリスマ性というか・・上手くいえないけど・・)
カツはギレンにいった。
「わかりました。全力でお手伝いさせていただきます。・・ギレン閣下」
「そうだ、それでいい。利口だな、カツ。それでは我々も出る。ブリッジの制圧に向かうのだ!ハロイ!ガルマを呼んでこい!艦長室にいるはずだ!」
「は・・それでは私はガルマ様を呼び次第、ブリッジに応援に参ります。」
トビアも敬礼して退出した。
その直後、艦内に警報が響き渡る。
「?敵襲か?急がねばな・・カツ!行くぞ。拳銃では弱いな・・この軍用ライフルを持っていろ。」
「ハイ!総帥!」
カツは大声で返事をした。ポケットのフロッピーの事はもう頭の中に残ってなかった。
- 89 名前: 1 投稿日: 02/11/20 02:06 ID:???
一方そのころ・・戦闘ブリッジでは・・
「先程発見した移動物質を再補足!やはり敵艦に違いありません。かなりのスピードでまっすぐこちらに向かってきます!」
「たしかなのね?ディスプレーに拡大表示急いで!」
ミライは焦っていた。
現在この艦にむけて、敵艦らしきものが接近しているのだ。前回ラフレシアを出した母艦かもしれない。
シャアと出て行ったブライトはいまだブリッジに戻ってきていない。
ゆえにミライが艦長代行をしていた。
(ブライト・・なにやっているの・・早くしないと・・・)
ミライはディスプレーを眺める。
ホワイトベースの戦闘ブリッジのディスプレー上に、CGによって自艦と敵艦のおおまかな位置が映し出された。
レーダーとレーザー測量、更に人為的な光学観測によって得たデーターだ。旧時代的なやり方ではあるが。
ミノフスキー粒子散布の状態ではこの方法、精度が限界である。
モニター上の映像・・敵艦が拡大される。
確かに戦艦である。レウルーラのような艦だ。
ミライは再び立体全空域ディスプレーを見つめる。
(どうすれば・・敵が近づいているのよ・・ブライト・・シャアとまだ話しているの?)
ミライはかすかな苛立ちを覚えた。
「誰か!ミーティングルームまで行ってきて!」
そう命令した。
- 90 名前: 1 投稿日: 02/11/20 02:09 ID:???
ミライは焦っている。だが、表面上はそれを顔には出さない。
艦長がいないいま、副艦長たる自分が動揺することは許されない。
それはブリッジに不安を与える。この状況でそうなれば事態は取り返しがつかなくなるだろう。
「敵艦!ミサイル射程距離圏に突入!」
「敵と思われる熱源の方向に迎撃ミサイル発射!並びにダミーを放出を急いで!」
「了解!ミサイル発射します!」
オペレーターが指示を実行する。
ホワイトベースの両脇の部分が開き、無数のミサイルが宇宙の闇に消えていった。
「第二戦闘配備を第一に切り替え!モビルスーツの出撃を急がせなさい!」
「そして艦砲射撃も同時に!一斉に叩く!」
ミライはそう指示を出しながら、未だに戻ってこないブライトに不安を感じ始めていた。
いくらなんでも遅すぎる。
(まさか・・戻ってこないんじゃなくて・・戻れない?)
「敵艦!モビルスーツを散開した模様!」思索中のミライの耳にクルーの声が入った。
「こちらはまだ出ないの?!モビルスーツ・デッキの連中は何やってんの!」
ついブライトの口調になるミライであった。
それを聞いて、クルーの一人は思わず吹き出した。
この緊張下の中でも笑えるのはやはりこの艦に乗っているパイロットを信頼しているからである。
白い悪魔アムロ・レイ、赤い彗星シャア・アズナブル、蒼い巨星ランバ・ラル、「スペシャル」のウッソ・エヴィン、etc・・
「ミライ副艦長!大丈夫ですよ!我がモビルスーツ部隊は最強ですから!」
そう自慢下にいうクルーにミライは激怒した。
「そういった過信が!彼らの負担になることが判らないの!トビアの事を忘れたわけではないでしょう!」
ミライの厳しい叱責が飛ぶ。
クルーは慌てて、申し訳ありません、と叫ぶと急いでモビルスーツ・デッキにコンタクトを取った。
- 91 名前: 1 投稿日: 02/11/20 02:13 ID:???
「ウッソ・エヴィンは出撃できるそうです!ただアムロさんたちがまだ・・」
「アムロが?一体何をやっているのかしら?部屋に内線を!」
「いや!待ってください!なにやら今デッキで銃声が?もしもしオクトバー?何があった!返事をしろ!」
「どうしたというの?報告しなさい!」
ミライがそう命令する。その直後、戦闘ブリッジのドアが開いた。
そして低いが良く通る声がブリッジに響く。
「ミライ副艦長どの・・実にご苦労。突然だがこの艦は今よりジオンのものになる。
艦長の役目はこれより私、ギレン・ザビが引き受ける。」
ブリッジにいた総員が一斉に声のした方をみる。
そこにはギレン・ザビ、カツ・コバヤシ、並びに数人のクルーが拳銃をこちらに向けて立っていた。
「おや?ブライトはどうした?まさか怖くなってトイレにでも逃げたのか?」
ギレンがクックックと笑いながらいった。
- 92 名前: 1 投稿日: 02/11/20 02:25
ID:MUeAVudF
ここまでがギレン、ならびにブリッジの動きです。
シャアとアムロは現在会話中です。
いまからモビルスーツ・デッキに舞台が移ります。
明日はまた家に帰れないので、あさってになります・・。本当にすいません。
次はウッソの視点です。いままで影が薄かったですが・・。
推薦してくれた人申し訳ありませんでした。
>>80
使ったり使わなかったりです。
勢いでブワーっと書くこともあれば、メモ帳使うときもあります。
勢いで書いた方が筆が進むんですが、間違いも多いので・・(スレンダーなど)
- 93 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/20 02:57
ID:???
- 1さん乙
ガンガレ。続き待つさ
- 94 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/20 03:27
ID:???
- オツです。
さて寝よう。
ジープジオン
- 95 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/20 14:35
ID:???
- >88
トビアが出てるけど、生きてたの?
- 96 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/20 14:53
ID:???
- >>95
言うな。勢いで間違えたんだろ。スレンダー=スレッガーのように。
- 97 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/20 17:49
ID:???
- スタンバハロイと間違えたのかな?
- 98 名前: カンリニン 投稿日: 02/11/20 19:37
ID:???
- 電話が止まってて、昨日は来れなかった。
・・・・しかし、おもしれぇな!畜生。
- 99 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/20 23:16
ID:???
- 1さんがんばって!!
- 100 名前: カンリニン 投稿日: 02/11/21 00:08
ID:Qkxw6ASB
- 6時間たったのでage
- 101 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/21 18:59
ID:???
- 落ちたら悲しいのでage
- 102 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/21 23:08
ID:???
- リックドムあげ
- 103 名前: 褐色のおじさん 投稿日: 02/11/21 23:42
ID:72SO/64U
- そろそろかの?
- 104 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 13:16
ID:???
- グラサンの司会
- 105 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 17:39
ID:???
- ageラン・ハスラン
- 106 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:23 ID:???
モビルスーツ・デッキ。
そこで作業中のウッソはふと地球でのことを思い出していた。
彼・・ウッソ・エヴィンは以前ある戦争に参加したことがある。
もちろん彼個人の意見としてはそんな事はしたくなかった。
けれどそんな彼の意見を誰かが聞いてくれるわけでもなかった。
そんな子供の戯言で終わるようなら戦争など元々起きはしない。
その戦争は彼にとって、とても悲劇的で哀しい結末に終わった。
彼の仲間・・シュラク隊はほぼ全員死亡し、オデロといった友人も消えた。
両親でさえも戦争は彼から容赦なく奪っていった。
その圧倒的なまでの暴力性は普段彼が親しんでいた現実から著しく乖離したものであった。
不条理というに相応しい様々な出来事は当時13歳の少年には少々重すぎた。
彼の精神は中途半端なところで無理矢理ピリオドを打たれていた。
もう少し戦争が長引くか、カテジナ・ルーズとの接触が多ければ彼の精神も破綻していたかもしれない。
ガンダムを降りたウッソは表面上は普通に振舞っていた。以前と同じ様に。
- 107 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:24 ID:???
ウッソは自分にこう言い聞かせていた。
シャクティはなんとか助けることができたし、エンジェル・ハイロウも解放した。
シュラク隊のことは悲しかったけれど仕方がない。
その中で生き残ったマーベットには赤ちゃんが生まれているんだから。
赤ちゃんも今はもう1歳だ。元気に成長している。
僕たちの住んでいる場所カサレリアは平穏そのもので、冬の寒さが厳しいのを除けば、なに不自由ない。
これでいいじゃないか。もう昔のことは忘れるんだ。
そう自分に言い聞かせているウッソではあった。が、
そんな少年の元に届いた一通の手紙が彼の運命を変えることになる。
- 108 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:28 ID:???
一ヶ月前のこと、ウッソの住むカサレリアに来た手紙。差出人は不明。それにはカテジナのことが書かれていた。
それによるとカテジナはホワイトベースリベンジに乗艦予定だと記されていた。そしてその乗艦場所も。
その手紙を読んで彼はシャクティに内緒でこの艦に乗艦することを決意した。
マーベットには出発の前夜に全てを話した。
彼女はウッソの話をじっと聞き終えると、そう、と溜息をついていった。
「ウッソ・・よく聞いてね。これはシャクティに絶対あなたには言わないように、といわれていたんだけど・・。
もう・・二年ぐらい前・・私たちがここで暮らし始めて半年ほど経ったある日に、カテジナがここに偶然来たことがあるらしいのよ。
彼女は目が見えなくなっていたって。ウーイッグまでの道をシャクティに尋ねたらしいわ・・。
それでシャクティは彼女にワッパのオートコンパスをあげた。ウーイッグまでの・・.彼女は礼をいうとすぐに立ち去ったそうよ。
シャクティはそれを見送った。泣きながらね。彼女がそうした理由はわかる?ウッソ?
それは貴方のためよ。あなたがカテジナのその変わり果てた姿をみたら・・どうなっていたと思う?
だから今まで黙っていたって・・シャクティが貴方のいないときに泣きながら話してくれたわ。」
そういうとマーベットは呆然とする少年の頬を手のひらでそっと包み込んだ。
マーベットの手のひらからは微かにミルクの匂いがした。
- 109 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:34 ID:???
「いい?ウッソ?万が一、カテジナがそこに乗艦するとして、あなたは彼女にあって何がしたいの?
何をしてあげられるの?あなたに。
もはや彼女とは一度決着がついているのよ?それでも会いたいの?
貴方のその行動がシャクティの心に与える影響をよく考えて・・・。」
彼女はウッソの頬から手を離すと、膝に置いてある手を握った。
ウッソは彼女の温かいけれどちょっと硬い手の感触を感じた。
ウッソもマーベットの手を強く握り返した。
「・・・カテジナさんにあって何をしたいのかは正直わからないんです。けれどいかなくちゃならない気がするんです。
僕はもう一度彼女に会わなければいけない・・。
そうしないと結局は僕自身前に進めないと思うんです・・結果がどうであれ・・」
マーベットさんはそういう僕の瞳をまっすぐ見ながら確認するようにいう。
暖炉の火が2人を照らす。
「・・進めないのね?」
「ええ、進めません。・・・何もかも・・」
マーベットのいわんとすることはウッソにはよくわかった。
しかしウッソは、シャクティとカテジナを比べているわけではない。
これはウッソ自身の問題であり、区切りであるのだ。
- 110 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:38 ID:???
「わかったわ・・シャクティにはウッソは私の用事で急にしばらく出稼ぎにいってもらった事にしましょ・・苦しい理由だけどね」
「有り難うございます。マーベットさん。シャクティのこと・・よろしく頼みます」
ウッソはマーベットさんに深く頭を下げた。
そして彼女の家を後にした。
残ったマーベットは赤ん坊を寝かしつけると、寝室の窓を開け夜空を眺めた。
星が綺麗だった。カサレリアの夜空の星は瞬いていた。
冷たい風が身体を震わせる。マーベットは今は亡き夫に問い掛ける。
「あの子・・本当に強情で・・仕方ないわね・・オリファー」
そして夫の最後の言葉を思い出す。
「行かせんと言った!マーベット、俺たちの子供を頼んだぞ!」
オリファー・・ウッソもあたしたちの子供よね・・けれどあたしじゃ力不足かしら・・
マーベットはそう呟く。後ろで赤ん坊の泣き声が聞こえ慌てて窓を閉める。
胸の中で赤ん坊をあやしながら彼女はウッソの無事を願った。
そういうことで現在、彼・・ウッソ・エヴィンは宇宙にいる。
- 111 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:40 ID:???
「ッソ、ウッソ!・・どうかしたの?ボーっとしてるようだけど?」
「え・・うわ、ロラン!い、いや何でもないけど・・」
突然ロランの呼び声が聞こえた所為で声が裏返った。どうやらボーっとしていたらしい。
ロランの顔が目の前にあった。ウッソを怪訝そうに見ている。
「そう?それならいいんだけど・・」
ロランがそう言って首を傾げる。
彼・・ロラン・セアックとウッソは年が近いこともあって仲がいい。
ウッソより少し年上のロランは優しくて、気が付く好感の持てる人物である。
使用人をしていた癖らしく誰にでも基本的に敬語で話す。年下のウッソにも例外ではない。
「フォウさんがくれた飲み物持って来たよ・・冷たくて・・ウッソ?聞いてる?」
「・・・・・」
そういえばそれそろ畑の作物が取れる時機だな。シャクティ大丈夫かな・・
まぁマーベットさんたちが手伝ってくれるだろうけど・・シャクティ・・
宇宙からだと地球の些細なことでも気になるものだ。
ウッソは自分の思索に再び入り込んでいた。
- 112 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:43 ID:???
そんなウッソの顔をロランが心配そうに覗き込む。
そして彼の両肩を掴むと強く揺さぶった。
「ウッソ!しっかりしなよ?大丈夫?瞳の焦点があってないよ!」
「だ、大丈夫!大丈夫!ちょっと考え事していただけだから!」
ウッソが慌ててそう応える。
「本当に?・・はい、オレンジジュースのパック。フォウさんが配給にきてくださったんだ。
ちょっと休憩しようよ。もう6時間はぶっ続けだしね。・・ここ狭いからでない ?」
そういいつつ狭いコクピット内のシーツに身を沈めるロランからウッソはパックを受け取った。
ここはF91のコクピット内である。
ブライト艦長にこの機体をウッソ専用にすると言われたので、さっきまでずっと一人で調整していたのだ。
「そうだね。出ようか?」
そうロランに返事をしてコクピットから降りる。
F91の足元に降りて、一息ついて辺りを見渡す。
まだみんな忙しそうに整備していた。フォウがその間を動き、メカニックマンたちに飲み物の配給をしていた。
右手に持ったパックのオレンジジュースを飲む
冷たくて、おいしい。いつまにか汗をかいていたのでありがたかった。
パイロットスーツを着ているので動きにくい。脱ぎたかったがそんな事をしたら、後でこっぴどく叱られるだろう。
今日は特別警戒なのでパイロットスーツ着用が義務付けられているのだ。
真面目なウッソにはそれを破ることはできなかった。
とりあえずメットを外して横においた。ほんの少しだけ楽になった。
- 113 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:49 ID:???
「そういえばロランは何の作業していたの?」
疑問に思ったウッソは降りてきたロランに尋ねる。
「僕?僕はアストナージさんとサザビーのサイコミュの調整をしてたよ。上手くいかないみたいで・・」
ロランがそういい、難しいよね、と一人で納得する。
「サザビーってシャアさんの機体の?」
ウッソは聞いた。ウッソとシャアはあまり話す機会がない。シャアはいつもなにか考え事をしているので話しかけにくい。
しかしシャアにウッソはどことなく親しみを感じていた。理由はないけれど。
同じ相部屋のアムロさんは僕に優しいけどな・・ウッソはそう思う。しかし彼・・アムロも心に深いトラウマがあることを敏感なウッソは感じ取っていた。
そして安心した。アムロといえどやはり人の子である、と。
自分だけがそうではないと知ってウッソはホッとしたものだ。みな何かを背負っている。
(そういえばニューガンダムのサイコミュもなんか調子が悪いってメカニックさんがいっていたな・・?)
ウッソは作業中にメカニックがそうぼやいていたのを聞いたのを思い出した。
ロランがジュースを飲みながら応える。
「そうシャアさんの赤い奴。けど、ウッソ、ちょっと質問があるんだけど・・僕って女みたいかな?」
「え?」
突然ロランがこんな質問をする意図がわからないウッソはこの質問に首を捻った。
「いや・・そんなことないと思うけど・・?」
そう曖昧に返事をする。
そのときモビルスーツ・デッキのブロックに第二戦闘配備の警報が響いた。
- 114 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:54 ID:???
「敵襲?!」
ウッソは慌ててジュースを飲み干すと、ガンダムF91のコクピットに乗り込む。
慌ててジュースを飲んだ所為でムセて咳き込んだ。ちょっと焦ってしまった。
F91ガンダムを起動させると、360度ディスプレーにデッキの様子が映しだされる。
全視モニターと呼ばれているものだ。
これは数台のカメラの映像を、コンピュータが制御して、それを360度の画像として再現している。
その画面の右隅にロランが、慌ててクインマンサ(僕が前に使っていた)の元に走るのが見えた。
ブロック内が一気にあわただしくなった。
ウッソは宇宙への外壁のハッチが閉まっているのを確認すると
「ウッソ・エヴィン出ます。ハッチ開けてください!」
そうメカニックマンに声をかけた。
ノーマルスーツを着用しているアストナージさんがこちらに叫んでいる。
「ウッソ!出撃命令はまだ出ていない。待機だ。」
「けれど第二戦闘配備の警報が流れているじゃないですか?敵襲でしょ?」
「パイロットは勝手な推測しなくていい。少し待て。オクトバーが管制と連絡を取っている。そのまま待機だ。」
「わかりました・・。」
そう渋々返事をした。けど、そんな暇なんてあるのかな・・
実際敵襲だとしたら悠長なことしてるひまはないと思うんだけど・・。
一瞬の差が命取りとなるのが戦場の常だし・・
ウッソはそう思った。
「ん?おーい、ちょっと降りて来い。ウッソ。お前ヘルメットここに忘れてるぞ!」
アストナージが更に足元にきてウッソのメットを持って怒鳴った。
さっきデッキに下りたときに横に置いていたのをすっかり忘れていたのだ。
- 115 名前: 1 投稿日: 02/11/22 18:56 ID:???
- 「あ、スイマセン!今そちらに行きます。」
そういってハッチをあけてF91の足元、先程までロランといた場所、に降りる。
「迅速に行動するのはいいが、慎重にな」
アストナージがこちらの頭をかるく小突きながら説教する。
すいません、と返事をしながらメットをかぶる。
「それじゃあ戻ります」
ウッソはそういうとクレーンに乗った。
「残念だけど、戻れないよ、坊や」
キャット・デッキの方から聞き覚えのある女性の声がした。
「カテジナさん?」
ウッソはキャットデッキを見上げる。そこには数名のメカニック・クルーを引き連れたカテジナがいた。
全員、手にはマシンガンを持っている。
フォウがメカニックの一人に捕まっていた。
「どういうことだ!悪い冗談なら止めろ!」
アストナージが大声で怒鳴る。
「冗談じゃないよ・・今からこの艦は我々ジオンのものになるんだよ。」
カテジナはそういうと可笑しそうに笑った。
その笑顔を不覚にもウッソは美しいと感じた。呆然とその横顔を眺める。
「ジオンだと!」
アストナージが驚愕の声をあげる。
- 116 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 18:56
ID:???
- ワクワク
- 117 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 18:59
ID:???
- な、なんかウッソ死にそうな気配が……
ここまで期待させてくれる1さん、さすがです
- 118 名前: 1 投稿日: 02/11/22 19:00 ID:???
「本気で乗っ取る気なのか?そんなことができるわけないだろう!カテジナ!止めるんだ!」
アストナージはキャットデッキの方に流れていくとカテジナの肩を掴んだ。
「ギレンに騙されたのか?あいつの妄想に付き合うんじゃない!」
そしてそう説得する。
「うるさい!あたしにその油のついた汚い手で触るんじゃあないよ!」
アストナージの身体が一瞬大きく弾けとんだ。カテジナがアストナージの身体をマシンガンで撃ちぬいたのだ。
メットのバイザーが割れて、そして辺りに血が飛び散る。
その状況にモビルスーツ・デッキのメカニックたちが色めきたった。
アストナージの元に駆けつけようとしたロランや、メカニックたちはカテジナの取り巻きのメカニックたちの
牽制射撃をうけて動けなかった。
艦内の警報が第一戦闘配備に切り替わる音がした。
ウッソは呆然とその場に立ち尽くす。
アストナージの身体がぐったりとして動かない。その身体はゆっくりとプラットホームの方に流れていく。
カテジナが愉快そうにまた笑う。
その姿は、傍目から見ると狂っているように見える。
それでも彼女は美しかった。
少年の瞳にはそう映った。
- 119 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 19:02
ID:???
- ア、アストナージが・・・
- 120 名前: 1 投稿日: 02/11/22 19:08 ID:???
「カテジナさん・・僕は・・あなたを・・」
カテジナの笑い声を聞きながら。
ウッソは呟く。
「・・あなたの事を・・本当に・・・」
その続きは掠れていて聞こえない。
ウッソはアストナージに渡してもらったヘルメットを眺める。それは母ミューラの最期を思い出させた。
ヘルメット・・頭部・・死・・戦争・・血・・重いヘルメット・・切断・・首・・
リステアの後ろのタイヤで潰された母親をウッソは脳裏に鮮明に思い出した。
それはあの日以来心の底に閉じ込めていたものであった。深く。鎖をつけて。重りをつけて。
母さんは・・僕を・・僕を・・実験に・・だけど・・
少年はヘルメットを落とした。これ以上持っていられなかった。
ウッソは知らずのうちに涙を流していた。
戦争の終結と共に無理矢理うったピリオドが実はカンマに過ぎないことに少年は気付く。
少年の精神は少しづつ壊れている。誰にも届かない悲鳴を立てている。崩れていく。
それを止めることは誰にもできない。
- 121 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 19:12
ID:???
- カテ公キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
- 122 名前: 1 投稿日: 02/11/22 19:15 ID:???
遅くてすいません。おまたせしました。
ここまででやっと六章からの時間軸が一つにまとまりました。
ここで一つ区切ります。
続きはまた。
レス下さった皆様、ほんとに有り難うございます。励みにして頑張ります。
それでは・・
>>95
そうです。スタンバ・ハロイと間違えました。すいません・・ミスりまくりで・・
- 123 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 19:45
ID:???
- もつかれ!ほんと、読ませるねぇ
- 124 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 23:20
ID:???
- 小説の途中に割り込むのはやめようよ…
- 125 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/22 23:45
ID:???
- いいんじゃない?sageてるし
リアルタイム応援もオツなもんかと(^^;)
- 126 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 00:07
ID:???
- え?え?ええぇ~???
ウッソカミタンみたくなっちゃうの???
応援しながらsage
- 127 名前: カンリニン 投稿日: 02/11/23 00:16
ID:iLngn3ZQ
- age
- 128 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 00:17
ID:???
- omoroi
- 129 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 00:22
ID:???
- >>126
シャクティへの愛でコッチの世界に踏みとどまる、を希望。
ストーリー的都合であぼーんするのは諦めるから、かみーゆにはならんといて。
- 130 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 00:50
ID:???
- ヘルメットと母親の首を重ね合わせる描写力に感服。
- 131 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23
01:00 ID:bf0tjehL
- いいじゃん、カミーユでも。
ああ、こんなにわくわくするのは久しぶりだ…
この話が終わったら1氏を奢るOFFでもしたいぐらいだ…
- 132 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 01:01
ID:???
- 村田ってどうしてあんなに屁が臭いんだろう・・・
- 133 名前: カンリニン 投稿日: 02/11/23 16:15
ID:deoDvZcc
- 保守
- 134 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 20:41
ID:???
- >>129
ストーリーに指図するな。
カエレ。
- 135 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 20:48
ID:???
- >>134
閲覧者に指図するな。
カエレ。
- 136 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 21:09
ID:???
- >>134>>135
お前ら、揃いも揃って消防ですか?
- 137 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/23 21:11
ID:???
- 今日見つけたけど、まじでおもしろい!
がんばってください!
- 138 名前: カンリニン 投稿日: 02/11/24 00:27
ID:lxxatkkK
- セ~ブ~ディス~ワ~ルド~
感じるよ~♪
- 139 名前: 1 投稿日: 02/11/24 00:39 ID:???
やっと帰ってこれたのできてみたら、いつのまにか前スレが1000いってました。
書き込んでくれた皆様有り難うございました。嬉しいです。
このスレは第一回から繋がってますからね・・第一回が落ちると話がわかんなくなると思います。
残っているうちに完結させられればよかったのですが。うーん、力不足です。
シャア板のhtml化ってかなり遅いですからね・・。
さて本筋のほうですが。
今日はこの後の細かい流れを考えていたので続きはかけませんでした・・すいません・・。
明日にはこの続きをかきたいと思いますが・・
ウッソの結末を心配してくださっている人がいるようですね。
彼がどうなるかは・・もう少しお待ちください(笑)
>>137
見つけてくださって有り難うございます。
応援されるとほんとに励みになります。
>>カンリニンさん
いつもスレが落ち込んでいるとあげてくださって感謝してます。
その歌はなんの歌ですか?
- 140 名前: カンリニン 投稿日: 02/11/24 02:25
ID:???
- >>1
あ・・・・あ(赤面)。いえいえ。
TMネットワークのキャロルのアルバムの中の
Carol (Carol's Theme II)じゃなかったかな?
ttp://www.cokky.ne.jp/tmn/Default.htm
- 141 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/24 14:02
ID:???
- omoroi
シャア専用板でいちばんの楽しみ!!
毎日楽しみ~!!!!!!個人的にはアムロのこれからが気になります。
- 142 名前: カンリニン 投稿日: 02/11/24 19:19
ID:4SaouGBc
- 定例保守
- 143 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/24 19:43
ID:???
- レス番977までしかないけど前スレうpしといたよ。
祝福しろ(アナスイ)
http://ime.nu/www.geocities.co.jp/MusicStar-Bass/7531/ten.html
- 144 名前: 1 投稿日: 02/11/24 20:08 ID:???
お待たせしてスイマセン。もう少しお待ちを・・。
9時半にはアップできると思いますので。
>>140
下のリンクに見事にだまされました(泣)。そんな会社?あるんですね・・
>>141
そんなに誉めていただいて恐縮です。
アムロですか?お待ちくださいね・・彼らもそろそろ・・けど・・
>>143
おお・・これは・・有り難うございます・・感謝の言葉もありません。
ただ一ついえるのは・・「最高にハイってやつだ!」って感じです。本当に。
祝福します。ジョリーンと結婚できることを祈って・・
- 145 名前: 1 投稿日: 02/11/24 21:39 ID:???
ウッソ・エヴィンの精神がいかに常人より強くとも肉親の死というのは別物である。
それはむしろ精神が強いばかりに一般の人より感受性が高く、哀しみも大きかった。
繊細で多感な少年期に起きたあの出来事は悲劇と呼ぶに相応しいものであった。
ゆえに少年はその記憶に蓋をしてしまっていた。
無論、時折り母のことを思い出すことはあった。しかしそれは母親との会話など心に優しいものである。
いうならばそれは井戸の蓋をほんの少しずらす行為といえる。けっして底は覗かない。
決してあの瞬間を思い出そうとはしなかった。
あのことを考えると、よくわからなくなるのだ。本当に。
母が死んだ直後、敵に会うと頭がおかしくなりそうだった。自分がわからなくなる。精神が乖離していく。
人を憎く思う。それが怖かった。
だから・・だから・・
蓋をしたのだ。
けれどウッソはそれを二年ぶりに深く意識の深層から呼び起こされてしまった。
間接的にとはいえ因縁のカテジナ=ルースの手によって。
あのシーンが鮮明にリプレイされる。繰り返し。繰り返し。
精神が崩れていきそうだ。頭がいたい。イタイ。痛い。
少年は頭を抱える。涙が頬を伝っておちる。
そしてもっとも考えてはならなかったことを思い出す。
僕があの時「シャクティ」じゃなく「母さん」を助けていれば。
母さんは死ななくてすんだんじゃないのか?
- 146 名前: 1 投稿日: 02/11/24 21:45 ID:???
けど・・母さんはあの時・・笑って・・僕に・・
ウッソは頭を抑える。
アストナージの死、カテジナ・ルース、そして死者に渡されたヘルメット・・
この三つの要素が少年の中で交じり合い、鮮明なイメージとして蘇ったのだ。
それは少年の精神を強く揺さぶった。
あのとき手にした母ミゲルの確かな首の重さが。漂ってくる血の匂いが。空気が。
少年の足は小刻みに震えだす。
「あの時・・あと・・五分はやければ・・母さんは・・死なずに・・」
ウッソの感覚にリアルに再現される。
少年の鋭敏過ぎる感覚が仇になったのは皮肉である。
その感覚ゆえに少年は戦争に生き残り、またその感覚ゆえに終戦後もこれほどに苦しまねばならぬ。
これが運命の皮肉といわずしてなんといおうか?
ウッソは混乱の中
戦争中の僅かな休息のときに、母が自分にかわした言葉を思い出す。
『あなたを生む前の夜。
なんだろうね、こう、白いフワァとしたものが現れて、新しい子、ニュータイプを授けるっていう夢を見たのよ。』
母さん・・僕は・・ニュータイプになんて・・生まれたくなかった・・よ・・
そうウッソは呟く。
- 147 名前: 1 投稿日: 02/11/24 21:49 ID:???
ウッソは落としていたヘルメットをゆっくりと拾った。重みを確かめるようにそっと。
ドックに下りてきたカテジナの声が響く。
「さ~て。邪魔な正義感ぶった奴は死んだ。ジオンに逆らいたい者は今の内にでてきなさい・・。
あたしが直々に殺してあげるからねぇ・・アハハハハハハ・・!」
そういいモビルスーツ・デッキのクルーたちを見渡す。
その声はあの頃と全く変わらない。
カテジナさん・・僕はあなたに会いに・・けれど貴方は・・貴方は・・
少しも変わってないんですね・・
それが何故か少年には酷く可笑しかった。
ウッソはカテジナの方にゆっくりと歩み寄る。
「なんだい?トチ狂ったのかい?坊や」
マシンガンがこちらに向けられる。足元に威嚇の射撃をする。
ウッソはその光景を他人事のように感じていた。ゆえに足は止まらない。
「この・・坊主が!」
カテジナが今度はウッソの身体に狙いを定める。
「ウッソ!」
慌てて近くに戻っていたロランがウッソを制止する。
「・・死にたいの・・?ウッソ・・駄目だよ。アストナージさんみたいに・・なっちゃうよ・・」
- 148 名前: 1 投稿日: 02/11/24 21:59 ID:???
ロランはウッソの肩を抱くようにすると泣きながらそう言う。
アストナージの死は彼にも少なからず衝撃を与えていたようだ。
ウッソはそのロランの顔をみて
「・・・シャ・・シャクティ・・?いやロラン・・か・・。」
と声をもらした。
そしてロランが自分を掴まえていることに気付く。
温かい。人の温かみをウッソは感じた。
もちろんパイロットスーツ越しだから直接的な温かみを感じたわけではない。
それは精神的なものだ。
エンジェル・ハイロウから出ていたのと同じ・・精神的なぬくもりを感じる。
・・それはウッソの張り詰めた精神を緩和させてくれた。
ロランの顔が・・同じ褐色の色であるシャクティを思い出させてくれたのも幸いであったといえる。
「ありがとう・・ロラン・・もう大丈夫・・」
そうまだこちらを見つめているロランにいう。
ウッソは少し下がる。F91の足元に再び戻る。
カテジナさんに・・近づくのは危険だ。
少なくとも今は・・。
- 149 名前: 1 投稿日: 02/11/24 22:03 ID:???
「なんだい・・友情ごっこなら他でやりな!」
カテジナはそういうとこちらに興味をなくしたのか、コンソールパネルに向かった。
そのとき後ろの方でかすかに音がした気がした。が、カテジナは無視した。
そして管制・・ブリッジと連絡をとるようにクルーの一人に指示をだした。
「ブリッジに連絡してモビルスーツを出していいのか指示を仰ぎなさい!」
そして場面は再びブリッジへと戻る。
- 150 名前: 1 投稿日: 02/11/24 22:09 ID:???
ブリッジではミライとギレンの会話が行なわれていた。
「ミライ艦長?今からこの艦の指揮はジオン公国総帥であるこのギレンが執る。
さぁそこをどいてくれたまえ。」
ギレンがミライの艦長席に近づき、当然だといわんばかりの表情でいった。
「こんなことをして・・上手くいくと思っているの?」
ミライがギレンを見つめる。ギレンの部下・・ジオンの残党であるクルーがこんなに紛れているとは思わなかった。
むろん乗艦してからジオンに洗脳されたのもいるだろう。
カツまでもギレンに洗脳されていたのはミライにとって意外であった。
「もちろんだとも。私の計画に失敗は存在しない。さぁ早くそこを渡すのだ。」
ミライがゆっくりと艦長席から立ち上がる。
「カツ・・あなた・・フラウが悲しむわよ・・こんなことをして・・・」
カツがその言葉に一瞬動揺をしたが、すぐに平静を取り戻すといった。
「ミライさん・・僕・・母さんが悲しんでも・・それで母さんたちの生活がよくなるなら・・かまいません」
ミライはこの言葉にカツの成長を見た気がした。
たとえそれが間違ったものであったとしてもそれはある種の驚嘆に値する。
「ホント・・オトコのコの成長の早さには驚かされるわ・・アムロを思い出す・・」
ギレンがそんな2人の会話を遮って言う。
「早くするんだ。第一戦闘配備・・敵が接近しているのだろう?私の指示がいる。
脆弱な連邦艦長どのはまだ帰ってきていなようだしな・・」
- 151 名前: 1 投稿日: 02/11/24 22:15 ID:???
ミライがキッっとギレンを睨んでいった。
「地球連邦を否定するのはもう止めなさい!あれはどうであれ個人の主権の確立の上にたった政府よ!
独裁を企むザビ家などもはや・・宇宙に住む人々の支持を受けれないのは明白です!あの戦争はもう終わったのよ。
いまさらジオンの再興など妄想を!
40億もの罪ない人々を殺戮したあなたが何を語る資格があるというの!」
ギレンが心外そうに肩をすくめる。
「あれは間引きだよ。ミライ副艦長。
人類のみが膨れ上がって地球上の他の生物を押さえつけるのは自然に対する冒涜であったのだ。
優良種たる我らが人類を管理し、コントロールしなければならない。それでこそ人類の永遠の繁栄は約束される。
そのための戦争。つまり正義だ。40億の死は自然への贖罪。当然の行為であるといえる。」
「詭弁を!大量殺人者が!」
ミライが強い口調でその独善的な思想を非難した。
「戦争とはそういうものだろう?」
そういうとギレンはミライの腕を掴んだ。
「・・さぁ、お話はこれまでだ・・」
そして無理矢理ミライを立ち上がらせる。
- 152 名前: 1 投稿日: 02/11/24 22:21 ID:???
- そのとき一人のクルー・・先程ミライがミーティングルームにいかせた男・・・が息を切らせて走ってきた。
「ミライ艦長!大変です!艦長が・・・!」
そこでクルーはブリッジの異変に気付く。
ギレンがミライの腕を無理矢理掴んでおり、周りにはマシンガンを持ったクルーが油断なくあたりを囲んでいる
ギレンが続きを促す。
「・・どうした・・続けたまえ・・艦長がどうしたんだ?」
クルーは不安げにミライを見る。ミライは頷く。
「艦長が・・何者かに頭を撃たれて!死・・死んでいました!」
そのクルーの絶叫はブリッジ全体に響き渡った。
ブリッジを静寂が支配した。
ミライは怖れていたことが現実となり呆然とした。シャアの仕業に間違いない・・ブライト・・ミライは崩れ落ちた。
クルーたちも絶句した。ジオン兵となったものたちも動揺を隠せない。
一人、ギレンだけが大笑いした。
「これは手間が省けた・・誰がやったのかしらんが愉快だ・・・
おや?ミライ夫人?顔色が悪いな?気分でもすぐれないのか?」
そういって膝をついているミライに手をやる。ミライはそれを払う精神力は残ってなかった。
「おい、この傷心の女性をどこかにぶちこんでおけ・・丁重にな・・。」
- 153 名前: 1 投稿日: 02/11/24 22:31 ID:???
ギレンはようやく艦長席に座る。
「現状を報告せよ!」
その声にブライトの死で呆然としていたオペレーターは、びくり、と反応すると慌てた口調で報告した。
「現在、敵モビルスーツ十時の方向から接近中!数は八機!ミサイルは外れた模様!」
「ギレン閣下!モビルスーツ・ドッグを占拠したカテジナ・ルースが指示を仰いでいます。」
「占拠したか・・上々だ。よし、直ちにパイロットたちを出撃させろ!こちらにはミライがいることを伝えておけ。
諸君らがおとなしくしていれば彼女の生命は保証する・・とな。あとブライトの死も一緒にな。」
ギレンはモニターを見ながらそう指示をだした。
「りょ・・了解!」
オペレーターが返事をする。
もはやブリッジのクルーはギレンの命令どうりに動くようになっていた。
無理もない。艦長が殺害されたのだ。ジオンに対する戦意を喪失したのだろう。
クルーは掌握できたな・・ギレンは思った。
いいタイミングでブライトの死が伝わった。あれはどんな説得よりも効果があった。
あれによりブリッジ内の戦意が目にみえて萎えていった。
彼らは恐怖したのだ。
所詮愚昧にすぎない連中は、目前に死や金をちらつかせれば意のままに操ることができる。
無論のことだが、前者はこのクルー達であり、後者はカツである。
ギレンの冷徹な目が満足そうに細められた。
ディスプレーの映像を確認する。
敵のモビルスーツ部隊はもう少しで接触する。が、充分こちらの出撃は間に合うだろう。
- 154 名前: 1 投稿日: 02/11/24 22:42 ID:???
- (・・それにしてもガルマ・・遅いな・・?)
ギレンは、ふと未だに姿をみせないガルマの事を気にした。ゆうに三十分は経ったはずだ。遅すぎる。
そのときオペレーターから感嘆の声がした。
「サザビーがもう出てきた!さすがに早いな!」
ギレンはその声につられて再びディスプレーをみた。
戦闘ブリッジのディスプレー上に重厚感のある機体が映し出されていた。MSN-04・・サザビーである。
その赤い機体は一回ゆっくりと旋回したかと思うと、戦闘ブリッジに近づいてきた。
モノアイが赤く揺らめく。
ギレンはそのとき不吉な感覚に襲われた。モノアイが自分を射抜いているような錯覚を覚えた。
「おかしいな・・?なんでこっちに近づいてくるんだ?敵は10時の方向なのに・・」
クルーの一人が不思議そうに首を傾げる。
「あのモビルスーツをこちらに近づけるな!」
ギレンはそう瞬時に命令を下した。
直感である。
ギレンの鋭敏な神経が何かを告げていた。この機体は危険である、と。
そのときスタンバ・ハロイが息せき切ってギレンの元にきた。彼は息を整えるのももどかしく激しく咳き込んだかと思うと
ギレンに向かってこう叫んだ。
「ギレン閣下!い・・一大事です・・ガ・・ガルマ様が何者かによって・・こ・・殺されております!艦長室で!」
ブリッジに接近してくるサザビーのモノアイが 鋭く光った。
- 155 名前: 1 投稿日: 02/11/24 22:46 ID:???
ここまででようやく第九章は終わりです。長かったです。
次章ははシーマとスレッガー達に視点が移ります。
それでは・・・
- 156 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/24 22:57
ID:???
- いまさらながら
あえて言おう!良スレであると!
天下一の時から読んでました。
毎日楽しみにしてます!!
- 157 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/24 23:19
ID:???
- おもしろい!!!!
どずる様も登場するんでふか??
アムロ気になる・・・(地球をすくった父性の塊…英雄)
1さんおつかれさまでした!!
- 158 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日:
02/11/25 00:17 ID:???
- >>1よ、
さぞかし満足だろうな。お前はそ
んなにガンダムが好きなのか?
お前らもいったい何が面白いんだ?こんな
つまらないスレを見て、
- 159 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/25
01:01 ID:WLeEerpD
- >>158黙ってろ
- 160 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/25 01:12
ID:???
- >159
縦読み・・・メール欄・・・
- 161 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/25 01:13
ID:???
- >>159
煽りにレスは禁物ですよ
- 162 名前: 129 投稿日: 02/11/25 12:08
ID:???
- 軽く叩かれたけど、リクして良かった! 破綻なく纏める>>1さんの技量に恐れ入りました。
- 163 名前: ろうろん 投稿日: 02/11/25 12:39
ID:Vjcpsr2w
- この後の話も期待してます!
- 164 名前: カンリニン 投稿日: 02/11/25 19:11
ID:vRqNgddk
- 保守・・・・保守・・・・保守
- 165 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/11/25
23:02 ID:luqTodWy
- 大気圏突入回避!!