東京事変 / 教育
教育
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7点
ここには椎名林檎しかいないようだ。いや、隠れている?誰かいる。1998年に「幸福
論」でソロデビューした椎名林檎が2004年から活動しているバンドが「東京事変」で
ある。その最初のアルバム。「教育」されるのは誰か?聞き手だろうか?東京事変だろう
か?聞き手ならばこのアルバムはよく出来ている。色々な椎名林檎が覗ける。特に聴き
入ったのが「遭難」という曲。この曲が東京事変の出発点。特徴のある林檎の声にギ
ターの音が心地良い。詞の世界観も林檎十八番の愛(?)の唄。お互いのすれ違いを遭難と
被せてあり、この曲で聞き手は「教育」される。そうであってもこのアルバムは「教科書」
ではない。差し詰め「参考書」といった所。しかしよく出来た「参考書」である。教科書
替わりで使っても善い。しかし教育の対象が「東京事変」なら、このアルバムを「教育」
と名付けて良いだろうか。林檎が優々とこのアルバムに収録された曲を唄う。しかし林檎
だけしか見えない。スポットライトは林檎だけ。後ろからは演奏が聴こえる。それは録音
だろうか。真っ暗で何も見えないが、時たま「誰か」の姿がチラリと見える。録音では無
さそうだ。しかしそれが誰なのか、そこまで見えない。観えてこない。というのがこのア
ルバムの印象。次のアルバムでは「東京事変」のメンバー全員が、果たして見えてくるだ
ろうか。
reviewed by Sweetness of chocolate
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