ザ・ビートルズ / ラバー・ソウル
ラバー・ソウル
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10点
あと40年遅く生まれたかった。つまり60’s。しかしこの時代には今自分が目の前に
しているパソコンはもちろん、CDも発明されていない。まだレコードの時代である。こ
の60’sには現代の便利さはないが、現在にも、恐らくこの先未来にも現れないだろう
あるグループが存在した。それは「The Beach Boys」でも「The Rolling Stones」でもな
い。(とは言っても双方とも60’sを代表するグループには間違いない。)そのバンド
名は「The Beatles」。一度は耳にしたことのある方も少なからずいるだろ
う。The Beatlesは当初レコード会社の意向でアイドルグループとしてデ
ビューした。しかしThe Beatlesのメンバーはアイドル扱いを嫌い、この
アルバムの前作である「HELP!」で「アイドル」というイメージの払拭に成功し、このア
ルバムで「アーティスト」の名を後世に残した。
このアルバムに収録されている「In My Life」はアルバムの中でも「アー
ティスト」としての色を特に持っている曲だ。この曲のイントロと間奏部分のピアノが印
象的で、かつ歌詞もメンバーの故郷であるリヴァプールの思いを描いた作品である。
The Beatlesを勧める時に一番にこの曲を勧めるだろう。「Drive My
Car」も好きだ。ジョンとポールのボーカルがたまらなくかっこいい。歌詞にもジョ
ンの才能が存分に発揮されている。「Nowhere Man」も貴方に聴いて欲しい。
「一人ぼっちのあいつ」と名付けられたこの曲は、ジョンが麻薬中毒状態の自分について
描いた作品だ。しかし楽曲は落ち着いた雰囲気で、おもわず聴きいってしまうような曲に
なっている。ジョンの声にはそのような効果があるのだろうか。
先ほどから私は「聴いて欲しい」とばかり言っている。そうなのだ。このアルバムは直
に貴方に聞いて欲しい。名曲と呼ばれるに相応しい作品が多くある。しかしこのアルバム
がThe Beatlesの全てではない。The Beatlesは他にも「名曲」
を生み出している。ただこのアルバムをきっかけにして、The Beatlesの無限
のポテンシャルを理解して欲しい。幾年経っても万人に勧められるバンドである。
reviewed by Stranger